こんにちは、ファイナンシャルプランナーの hiro です。
外貨建保険販売資格という資格をご存じでしょうか。
外貨建保険販売資格とは、その名のとおり外国通貨で保険商品を取り扱うために必要な資格です。
円建ての保険商品とは異なり、外貨建保険商品の販売には為替リスクなどがあるため、特別な知識と技能が求められます。
この外貨建保険販売資格を取得した方は、外貨建保険商品に関する専門的な知識を持ち、顧客に適切な商品を提供することができます。外貨建保険商品を取り扱う保険会社や代理店などで活躍できることでしょう。
ここでは、外貨建保険販売資格の資格創設・ライセンス化の背景や試験範囲、試験の難易度などについて解説していきます。
- 外貨建保険販売資格取得を目指している
- 保険営業で顧客へ提案できる商品の幅を広げたい
- 生命保険会社への就職・転職を考えている
これから資格取得を目指す方は参考にしていただければ幸いです。
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外貨建保険販売資格とは
外貨建保険販売資格は、外貨建商品を扱う保険商品の販売に携わる保険営業者のための資格です。資格取得者は、外貨建保険商品が保有するリスクや特性について深い知識を持ち、顧客に適切なアドバイスや提案をすることが求められます。また、外国為替法や金融商品取引法などの法律についても理解している必要があります。
外貨建保険販売資格の取得により、保険商品の適切な販売・提供に努め、顧客のニーズに合った資産形成やリスク管理のサポートを行うことが期待されています。
外貨建保険販売資格のライセンス化
外貨建保険の基礎知識や募集方法について、顧客本位の業務運営等の観点より、業界として教育体制の整備・充実化に取り組む必要があることから、募集人が一定基準以上の知識・リテラシーを習得することを目的に、業界共通の教育・試験制度の創設、販売資格のライセンス化を行うこととしている。
一般社団法人生命保険協会公式HPより引用
外貨建保険販売資格試験は、一般社団法人生命保険協会が主催する業界共通試験です。生命保険業界においては約 30年ぶりに新設された試験で、2020年 10月から順次試験が実施されています。
また、2022年 4月からは外貨建保険販売資格者登録が始まっていて、登録されていない募集人には外貨建保険商品の販売・提供はライセンス化以降禁止されています。
金融商品やサービスの多様化や複雑化が進む中で金融機関と利用者の間トラブルが増えています。なかでも円建ての商品に比べて利回りが高い外貨建保険商品は、デメリットである為替リスクの説明が不十分であったり、高齢者を狙った詐欺まがいの契約が横行するなど、販売する側の説明や知識の不足・コンプライアンス意識の欠如によって契約者からの苦情が膨らんでいることが背景にあるようです。
銀行などの金融機関や生命保険会社の過剰なノルマが不適切募集の温床となってことは否めません。
そこで、生命保険業界では、「外貨建保険の販売に必要な業務知識」や「苦情削減に資するコンプライアンス・リテラシーの向上」を目的として、外貨建保険販売資格試験の実施と、外貨建保険販売資格者登録を必須とするライセンス化が開始となりました。
外貨建保険販売資格取得まで
外貨建保険販売資格を取得するためには、一般社団法人生命保険協会が実施する外貨建保険販売資格試験に合格する必要があります。
生命保険募集人として登録済で専門課程試験の合格者であること等一定の要件を満たしている者
外貨建保険販売資格試験には受験資格が設けられていて、生命保険募集人として登録され、かつ専門課程試験の合格が求められます。
外貨建保険販売資格試験に合格後は、一般社団法人生命保険協会に登録することにより、晴れて外貨建保険商品の提案・販売ができるようになります。
外貨建保険販売資格の有効期限
外貨建保険販売資格試験に合格し登録を受けた後は、生命保険会社や保険代理店などに在籍している限りは資格は有効となります。ただし、その生命保険会社や保険代理店などを退職された場合、または法令違反などの行為により資格はく奪の処分を受けた場合は資格は失われます。
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外貨建保険販売資格の試験概要
外貨建保険商品を提案・販売できるようになるためには、まずは外貨建保険販売資格試験に合格する必要があります。
ここでは、外貨建保険販売資格試験の受験要領や試験内容、試験の難易度、試験に向けた学習方法を一つひとつ解説していきます。
外貨建保険販売資格試験の受験要領
外貨建保険販売資格試験の実施方法は、コンピューターを利用して実施するCBT(Computer Based Testing)方式での試験となります。
試験は毎月(通年)実施されていて、生命保険会社の社員(営業社員や事務社員)であれば所属する会社を通して申し込むことになります。
試験開催月 | 毎月(通年) |
受験可能回数(年間) | 3回 |
試験時間 | 40分 |
外貨建保険販売資格試験の試験範囲
外貨建保険販売資格試験の試験範囲についてまとめてみました。
- 外貨に関する基礎知識
- 外貨建生命保険販売の背景
- 外貨建生命保険の概要
- 隣接業界の投資性金融商品
- 外貨建生命保険のコンプライアンス
- 外貨建生命保険の募集に係るリテラシー
外貨建保険商品の提案・販売にあたり「募集人が一定基準以上の知識・リテラシーを習得することを目的」とする試験であり、あまり難易度の高い試験ではないようです。
外貨建保険販売資格試験の難易度
外貨建保険販売資格試験では、外貨建保険商品の提案・販売にあたり「募集人が一定基準以上の知識・リテラシーを習得することを目的」とされています。
試験時間は 40分で、合格基準として 70%以上の正答率が求められます。
明確な合格率は開示されていませんが、同じ一般社団法人生命保険協会が主催する試験で、生命保険募集人一般課程の試験の合格率が概ね 80%以上、変額保険販売資格試験の合格率が概ね 90%以上との情報から鑑みても、そこまで難易度が高い試験ではないようです。
会社によっては一度の試験で合格するのが当然な雰囲気があるかもしれません。
外貨建保険販売資格試験に向けた学習方法
外貨建保険販売資格試験の試験対策用のテキストなどは市販されておらず、一般社団法人生命保険協会での直販も行われていません。
基本的には所属先から支給されるテキストや問題集で学習を進めることになりますが、試験の難易度からも支給されたテキストや問題集を繰り返すことで十分に合格ラインに到達することができます。
あまり難易度の高い試験ではありませんが、まったく対策をとらなければ当然に落ちます(-ω-)/
しっかりと試験対策をとって一度の受験での合格を目指しましょう。
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外貨建保険販売資格とあわせて取りたい資格
晴れて外貨建保険販売資格試験に合格し登録された後にはあわせて取得しておきたい資格について紹介します。
- 変額保険販売資格
- FP技能士 2級以上
これらの資格は、顧客へ提案できる商品の幅を広げる資格でもあり、生命保険業界でのキャリアアップにもつながる資格です。ぜひ、目指されてみてはいかがでしょうか。
変額保険販売資格
変額保険販売資格とは、生命保険の変額保険を販売するための資格です。
一般的な生命保険では、満期を迎えたときや被保険者が死亡したときには所定の保険金が支払われます。これに対し変額保険では、その名のとおり保険会社の運用成果によって保険金や解約返戻金の金額が変動する商品になっています。
変額保険販売資格と外貨建保険販売資格は、異なる保険商品を扱うため別々に資格取得することができます。両方の資格を取得することで、保険商品の知識や投資商品に対する理解が深まります。また、顧客ニーズに合わせた幅広い商品提案ができるため、顧客からの信頼度も高まることでしょう。
FP技能士 2級以上
生命保険商品を募集(販売)するにあたり、より顧客の立場に立って生命保険の相談や提案などを行うためにFP(ファイナンシャル・プランナー)資格を持つ営業社員は多くいます。
2017年、金融庁から「顧客本位の業務運営に関する原則」が公表されたことにより、金融事業者はフィデューシャリー・デューティー(Fiduciary :受託者 Duty:責任)を果たすことが求められます。
つまり金融事業者は、高度な専門性と職業倫理を持ち顧客に対して誠実・公正に業務を行うことで、顧客の最善の利益の追求が求められるようになりました。こうした取り組みの実効性を高めていくためにも、FPの需要は生命保険業界においても高まっているといえます。
まとめ | 外貨建保険販売資格
今回は、外貨建保険商品を提案・販売するための必須の資格「外貨建保険販売資格」について解説させていただきました。
一般社団法人生命保険協会が主催する業界共通教育課程で、「外貨建保険の販売に必要な業務知識」や「苦情削減に資するコンプライアンス・リテラシーの向上」を修得することを目的として実施されています。
- 一般課程
- 専門課程
- 応用課程
- 生命保険大学課程
- 変額保険販売資格
- 外貨建保険販売資格
外貨建保険販売資格取得者は、外貨建商品が保有するリスクや特性について深い知識を持ち、顧客に適切なアドバイスや提案をすることが求められます。また、外国為替法や金融商品取引法などの法律についても理解している必要があります。資格取得をすることによって、外貨建保険商品を取り扱う保険会社や代理店などで活躍できることでしょう!
これから資格取得を目指す方にとってこの記事が参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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