こんにちは、ファイナンシャルプランナーの hiro です。
管理職は組織を円滑に運営し、その成果を向上させるための中心的な存在です。
管理職を目指すことで、自己成長や他者への貢献、そして社会的な影響を感じながら充実したキャリアを築くことができるでしょう。
今回は、金融業界で管理職を目指す方におすすめの資格と管理職を目指すための戦略について詳しく解説していきます。
- 金融業界で管理職を目指したい
- 金融業界で管理職を目指すための資格が知りたい
- 金融業界で管理職を目指すための戦略・行動が知りたい
ぜひ参考にしてください。
・1級FP技能士
・CFP®認定
・金融業界在籍29年
・営業職27年経験
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春を告げる通信
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金融業界の管理職におすすめの資格3選

資格取得は金融業界で管理職を目指す上で非常に有益な手段です。特に高度な専門知識を証明する資格は、キャリアを進展させるための強力な基盤となります。
資格の取得を通じて、知識を深めるだけでなく、自身の市場価値を向上させ、競争力を高めることができます。
資格取得は必ずしも義務ではありませんが、管理職を目指す過程で競争力を高め、信頼を築くために大いに役立つでしょう。
金融コンプライアンス・オフィサー
金融コンプライアンス・オフィサーは、銀行などの金融機関や証券会社、保険会社などにおいて、コンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得度を判定するための資格です。
近年の法規制の強化やマネーロンダリング対策の重要性から、その役割がますます重要視されています。
認定試験には1級と2級が設けられていますが、どちらも特別な受験資格はないため誰でも受験可能です。
試験の内容上、1級は銀行等金融機関の上級管理者向き、2級は初級管理者および一般行職員向きとなっています。
日本コンプライアンス・オフィサー協会 より引用

一般的に上級管理者とは部長以上を指し、課長職を中級管理者、課長代理や係長を初級管理者と指すことが多いです。
- 上級管理者 ➡ 部長以上
- 中級管理者 ➡ 課長職
- 初級管理者 ➡ 課長代理や係長
直近3年間の合格率(認定率)を確認を確認してみましょう。
第63回(24.10) | 第62回(24.06) | 第60回(23.10) | 第59回(23.06) | 第57回(22.10) | 第56回(22.06) | |
---|---|---|---|---|---|---|
2級合格率 | 66.10% | 62.82% | 62.54% | 67.50% | 62.54% | 70.20% |
1級合格率 | 35.56% | 32.50% | 35.96% | 41.75% | 39.18% | 33.77% |
直近3年間の試験の合格率(認定率)を確認してみたところ、2級認定試験で合格率(認定率)62.54%~70.20%、1級認定試験では、合格率(認定率)32.50%~ 41.75%となっているようです。
実際に、わたしが金融コンプライアンス・オフィサー2級認定試験を受験してみた感想としては、金融業界に身を置いていれば常識に感じられる問題や倫理的な問題が多く出題されるため、少しでも金融分野に見識がある方にとっては苦戦を強いられる試験ではないように感じました。
資格認定後には、銀行などの金融機関や証券会社、保険などのコンプライアンス部門で、法令遵守や内部監査の分野での活躍が期待されます。具体的には、金融商品取引法やマネーロンダリング防止、顧客保護に関する社内規定の策定や運用を担当します。



将来的には、コンプライアンス部長や内部監査責任者、役員レベルへの昇進にも活かせることでしょう。








内部管理責任者資格
内部管理責任者資格は、日本証券業協会が認定する公的資格で、金融商品取引法や関連法令の遵守状況を管理する職務を担うための資格です。この資格は、証券会社や銀行などの金融機関で管理職を目指す方は取得しておきたい資格といえます。



営業活動よりも管理や指導・育成に関心がある方には、内部管理責任者資格はおすすめです。
- 受験資格
-
一種証券外務員資格を保有していること。
- 試験内容
-
金融商品取引法、法令遵守、協会定款・諸規則などに関する知識が問われます。
- 試験形式
-
試験はパソコン上で行われ、50問中70%以上の正解で合格となります。
内部管理責任者資格試験の合格率は概ね80~90%と高めですが、受験の申し込みは個人で直接行うことはできず、必ず所属先の証券会社や銀行などの金融機関から日本証券業協会へ申し込む必要があります。



合否結果も所属先の会社経由で知らされます。
支店や部署で適正な営業活動がなされているか、外務員が法令違反を犯していないかなどを監督・管理する態勢は、健全な金融取引を行っていくうえで必要不可欠です。内部管理責任者の知識に精通した人材が法令等遵守態勢の整備に努めることで、金融業界に対する顧客の信頼性の向上につながります。
内部管理責任者資格を取得することで、金融取引の健全化や法令遵守体制の強化に貢献できるほか、管理職としてのキャリアアップにもつながります。








メンタルヘルス・マネジメント
メンタルヘルス・マネジメント検定は、メンタルヘルスの知識とスキルを評価するための検定試験で、大阪商工会議所と施行商工会議所が主催しています。この検定は、個人や組織がメンタルヘルスの問題を適切に認識し、効果的な対応策を実施する能力を評価するために設けられています。
受験者は、メンタルヘルスの基礎知識、予防と早期発見、心理的な負荷とストレスの管理、適切な対応方法、支援リソースの活用などについての知識と理解を持っていることが求められます。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、職位・職種別(対象別)に3つのコースが設定されています。
- Ⅰ種(マスターコース)➡人事労務管理スタッフ・経営幹部を対象
- Ⅱ種(ラインケアコース)➡管理監督者(管理職)を対象
- Ⅲ種(セルフケアコース)➡一般社員を対象
受験資格に制限はなく、いずれのコースからも受験可能です。
直近3年間の合格率を確認を確認してみましょう。
第38回(25.03) | 第37回(24.11) | 第36回(24.03) | 第35回(23.11) | 第34回(23.03) | 第33回(22.11) | |
---|---|---|---|---|---|---|
Ⅰ種 | – | 20.9% | – | 20.5% | – | 17.6% |
Ⅱ種 | 54.8% | 60.5% | 73.2% | 56.5% | 54.1% | 58.2% |
Ⅲ種 | 77.8% | 74.3% | 72.1% | 71.9% | 79.3% | 69.4% |
直近3年間の試験の合格率を確認してみたところ、Ⅲ級検定試験で合格率69.4%~77.8%、Ⅱ級認定試験で合格率54.1%~73.2%、Ⅰ級認定試験では、合格率17.6%~ 20.9%となっているようです。
検定試験に合格することで、個人は自身のメンタルヘルスの管理能力を向上させることができ、組織ではメンタルヘルスに関する問題に適切に対処することができるスタッフを育成することができます。



メンタルヘルス・マネジメント検定は、個人や組織のメンタルヘルスの向上を促すための重要な手段となっています。












管理職を目指すための5ステップ戦略


ここからは「金融業界で管理職を目指すにはどうすべきか?」について、戦略的にステップごとに解説していきます。
結論として、管理職を目指すとは「すでに“その器”で動くこと」。管理職になってから「管理職のようにふるまう」のでは遅いです。



先に“管理職のように行動できる人”が、結果として選ばれます。
① 信頼される“成果”を出す(ベース作り)
管理職に選ばれる第一条件は、「安定して成果を出している人」であることです。
- ノルマや目標を安定的に達成
- 顧客や社内からの評価が高い
- 単なる“実務者”ではなく課題解決型の行動ができている



数字だけでなく、そこまでのプロセスや働き方も評価されます。
- 結果
-
売上・顧客数・成約率などのKPI達成
- プロセス
-
周囲と協力できたか・工夫したか・誠実に取り組んだか
信頼される成果を出す=「安定して数字を上げ周囲を巻き込みながら仕事ができる人」になることが重要です。
② 視座を“個人”から“組織全体”へ引き上げる
管理職は「チームや部署の成果」に責任を持つポジションであり、上から見た視点=視座が重要です。
- 部署全体の課題に対する提案や行動
- 他部署との連携意識
- コスト意識・利益構造の理解
- どうすれば視座を引き上げられる?(具体例)
-
- 上司の立場で考えてみる
- 部署全体のKPIを意識する
- 他部署との連携に関心を持つ
- 小さな「仕組み化」に挑戦する



組織の視座で考え動ける人こそが“次の管理職候補”です!
管理職になるには、「個の成果」から「組織全体への貢献」にシフトする視点が必要です。
③ リーダーシップを“自然と”発揮する
管理職候補に求められるのは、肩書きがなくても人を巻き込める「影響力」です。
- 後輩や同僚から頼られている
- 会議で意見をまとめたり場を前向きに動かせる
- 新しいことに率先して取り組んでいる
自然なリーダーシップを発揮する具体的な行動
行動例 | 効果 |
---|---|
困っている後輩に声をかけフォローする | 信頼・育成力があると見られる |
会議で建設的な意見を出し場をまとめる | 論理性と影響力が伝わる |
自発的にプロジェクトや改善提案を出す | 主体性と視野の広さを示せる |
チーム内でポジティブな空気をつくる | 雰囲気づくりの上手さも評価される |



管理職を目指すには「リーダーとして行動しているか」が問われます。
指示を待たず、“自然に人を動かす力”を持っている人が次のリーダーに選ばれるのです。
④ “上司目線”を意識したコミュニケーション
上層部は「この人と一緒に仕事したいか?」を見ています。
- ロジカルに物事を報告・提案できる
- 意図を汲み取って行動できる
- 感情的にならず建設的な姿勢がある
- 信頼関係=日々のやり取りで築かれる
-
上司も人間なので、安心して任せられる人を昇進させたいと思うものです。
- 報連相が的確で先回りしている
- ミスがあっても正直に伝え対応できる
- 会議などでも上司の意図を汲んだ発言ができる
ただ「まじめに働く」よりも「上司が助かる働き方」を意識することが効果的です。



上司目線のコミュニケーションは、信頼と評価を得るための“最短ルート”とも言えます。
管理職を目指すなら、「上司にどう見られるか」ではなく「上司の立場だったら自分に何を求めるか?」を考えることが大事です。
⑤ 社内の「昇進ルート」や「評価制度」を理解する
特に大手企業では、形式的な人事制度も影響します。ルールを知り、戦略的に動きましょう。
- 評価制度の確認
- 昇進に必要な試験や資格の有無
- 直属の上司との面談・目標設定で意欲を見せる
- “上司の期待”を理解し行動する(具体例)
-
多くの評価制度は、直属の上司が推薦・面談を行う仕組みです。だからこそ、「上司の考え=組織の評価基準」を読み取ることが大切です。
- 上司との面談で目標のすり合わせを行う
- 昇進に対する意欲をきちんと伝える
- 自己評価シートや面談記録を戦略的に活用する



「正しい方向で努力すること」が、昇進への最短ルートです。
管理職を目指すなら、がむしゃらに頑張るだけではなく、組織の評価軸と昇進フローに合わせて戦略的に動くことが重要です。
ボーナス|こんな行動が好印象
- 若手のフォローやOJTを積極的に行う
- 管理職の視点で現場課題を分析・提案
- 会議で発言し場のバランスを取る
- 新しい業務や社内プロジェクトに自発的に参加
まとめ|金融業界の管理職におすすめの資格3選


今回は、金融業界で管理職を目指す方におすすめの資格と管理職を目指すための戦略について解説してきました。
金融業界で管理者を目指すなら、資格はかなり効果的に使えます。知識の証明だけでなく、社内評価やキャリアパスの加速にもつながりやすいです。



金融業界で管理職を目指す意義は、組織や人を動かし、大きな成果を生み出す立場になれることです。
プレイヤーとしての経験を活かしながら、チームや会社の方向性を決めたり、部下を育てたり、経営に近い視点で仕事ができるようになります。責任は増えますが、その分やりがいや影響力も大きくなります。
ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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