こんにちは、ファイナンシャルプランナーの hiro です。
CFP®( Certified Financial Planner)は、世界 25ヶ国( 2024年2月現在)で採用されている、世界共通のプロフェッショナルファイナンシャルプランナーの証です。CFP®資格は、高度な知識と経験を持ち、長期的かつ総合的な視点でアドバイスを提供できるプロフェッショナルとして NPO法人日本 FP(ファイナンシャル・プランナーズ)協会から認定されています。
これからCFP®資格審査試験の受験を検討されている方は、すでに資格審査試験全 6課目に合格された方が受験課目をどのように選び、受験課目の順番をどのように決めたのか気になるかと思います。
そこで今回は、実際に CFP®資格審査全 6課目に合格に至った筆者がおすすめする受験課目の組み合わせを考案していきます。
- CFP®資格審査試験の受験を検討されている
- 受験課目の順番をどのように決めたのか参考にしたい
- 実際に受験してみてどうだったのかを参考にしたい
「正解」は人それぞれなので、参考程度にお読みいただければ幸いです。
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CFP®資格審査試験 課目ごとの関連性から考案
CFP®資格審査試験は、6月と 11月の年 2回、1日に3課目ずつ 2週に分けて実施されています。よほど試験に自信がある方でなければ、数回に分けて受験されることと思われます。試験日程から、1課目ずつの受験だとすべてストレートで合格したとしても最短で 3年もかかってしまうので、2課目ずつ、または 3課目ずつ受験していくことがおすすめです。
試験は、6課目に分類されていても事例問題などによっては横断的な出題の可能性があります。
そこでここでは、課目ごとの関連性から受験課目の組み合わせを考えてみます。
ぜひ参考にしてください。
金融資産運用設計
金融全般に関する幅広い知識が問われます。具体的には、各国の経済指標や金融政策、個別商品の内容や損益計算、各種金融商品の税制などが問われます。
金融資産運用設計に関係して以下の課目では横断的な出題の可能性もあります。
- リスクと保険
- タックスプランニング
すべての課目に精通しているといわれるタックスプランニングでは、「上場株式等の配当、公募投資信託の配当による所得」などの配当所得や「株式等の譲渡による所得」などの譲渡所得の出題内容で関連性がみられます。また、リスクと保険の課目においても、「外貨建終身保険」や「変額個人年金保険」の出題内容で若干の関連性もみられるため、これらの課目との同時受験を検討されてみてはいかがでしょうか。
不動産資産運用設計
不動産の売買や、賃貸借ならびに有効活用に関する相談、助言等を行うことを中心に、そのための調査、法令、価格および税制等に関する基本的な知識とコンサルティングスキルが問われます。
不動産資産運用設計に関係して以下の課目では横断的な出題の可能性もあります。
- ライフプランニング・リタイヤメントプランニング
- タックスプランニング
- 相続・事業承継設計
すべての課目に精通しているといわれるタックスプランニングでは、「譲渡所得/土地・建物」などの出題内容で関連性がみられます。また、ライフプランニング・リタイヤメントプランニングの課目においては、「住宅取得資金計画/住宅ローン」などの出題内容、さらに相続・事業承継設計の課目においても、「宅地の相続税評価(自用・貸家建付地)」や「家屋の相続税評価(自用・貸家)」などの出題内容で関連性もみられるため、これらの課目との同時受験を検討されてみてはいかがでしょうか。
ライフプランニング・リタイヤメントプランニング
主な社会保険の取扱い、そしてキャッシュフロー表の作成、教育・住宅資金設計など基本的な知識や計算能力を身に付けることによって、相談者のライフステージに合わせた資産設計とリタイアメントプランニングについてアドバイスをする能力も求められます。
ライフプランニング・リタイヤメントプランニングに関係して以下の課目では横断的な出題の可能性もあります。
- 不動産資産運用設計
- タックスプランニング
すべての課目に精通しているといわれるタックスプランニングでは、「公的年金に対する所得税額の計算」などの出題内容で関連性がみられます。また、不動産資産運用設計の課目においても、「借入金の返済方法」などの出題内容で関連性もみられるため、これらの課目との同時受験を検討されてみてはいかがでしょうか。
リスクと保険
具体的な事例に基づき、リスク管理と保険商品に関する知識が求められます。
リスクと保険に関係して以下の課目では横断的な出題の可能性もあります。
- 金融資産運用設計
- タックスプランニング
- 相続・事業承継設計
すべての課目に精通しているといわれるタックスプランニングでは、「生命保険料控除」や「生命保険の一時金による一時所得」などの出題内容で関連性がみられます。また、相続・事業承継設計の課目においては、「生命保険による相続対策」などの出題内容、さらに金融資産運用設計の課目においても、「外貨建終身保険」や「変額個人年金保険」などの出題内容で若干の関連性もみられるため、これらの課目との同時受験を検討されてみてはいかがでしょうか。
タックスプランニング
税に関する総合的な知識が求められます。税制についての理解と計画立案能力などが問われます。
タックスプランニングに関係して以下の課目では横断的な出題の可能性もあります。
- 金融資産運用設計
- 不動産資産運用設計
- ライフプランニング・リタイヤメントプランニング
- リスクと保険
- 相続・事業承継設計
タックスプランニングは、残りの 5課目すべてに精通しているため、一番最初に受験されることをおすすめします。
相続・事業承継設計
相続や事業承継に関する知識とアドバイスのスキルが必要です。FPとして必要とされる相続税や贈与税の仕組みと計算並びに申告と納税にあたっての知識、相続財産の評価、民法における相続の考え方、事業承継など、横断的に幅広い知識を問う問題が出題されます。
相続・事業承継設計に関係して以下の課目では横断的な出題の可能性もあります。
- 不動産資産運用設計
- リスクと保険
- タックスプランニング
すべての課目に精通しているといわれるタックスプランニングでは、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」などの出題内容で関連性がみられます。また、不動産資産運用設計の課目では、「不動産関連税制/不動産の譲渡」や「不動産の有効活用」などの出題内容、そしてリスクと保険の課目では、「資産家と相続対策」などの出題内容で関連性もみられます。さらに、「株式および公社債に関する権利の相続税評価」など金融資産運用設計の課目にも若干の関連性もみられるため、個人的には、タックスプランニングに次いでほかの課目に精通しているように感じます。
CFP®資格審査試験 課目ごとの難易度・合格率から考案
CFP®資格審査試験を 2課目ずつ、または 3課目ずつ受験されることを考えている方は、できれば難易度が高い試験と難易度が低い試験、得意課目と苦手課目をそれぞれ組み合わせて受験したいと考えている方が多いのではないでしょうか。
ここでは、課目ごとの関連性から受験課目の組み合わせを考えてみます。
課目ごとの難易度・合格率
直近 3年間の課目ごとの難易度・合格率を確認してみましょう。
課目 | 2021年度 第2回 | 2022年度 第1回 | 2022年度 第2回 | 2023年度 第1回 | 2023年度 第2回 | 2024年度 第1回 |
---|---|---|---|---|---|---|
金融 | 37.0% | 34.3% | 31.4% | 30.7% | 33.4% | 29.5% |
不動産 | 35.4% | 37.1% | 38.5% | 35.8% | 38.1% | 36.5% |
ライフ | 38.3% | 35.9% | 36.8% | 35.6% | 35.4% | 31.0% |
リスク | 41.0% | 34.8% | 36.2% | 31.8% | 35.3% | 35.7% |
タックス | 37.5% | 36.0% | 36.7% | 39.0% | 35.6% | 36.1% |
相続 | 35.0% | 39.8% | 38.4% | 31.4% | 34.3% | 37.9% |
課目ごとに平均合格率の高い低いはありますが、直近 3年間の CFP®資格審査試験を平均すると合格率は 36.0%となります。
最も難易度が高い金融資産運用設計をどのタイミングで挑むか
直近 3年間の CFP®資格審査試験の課目ごとの平均合格率を確認すると、最も合格率が低く難易度が高い課目は金融資産運用設計の合格率 33.0%でした。続いてライフプランニング・リタイヤメントプランニングとリスクと保険、そして相続・事業承継設計の 3課目が合格率 36.0%となっているようです。
金融業界に 20年以上在籍し、金融資産運用設計の受験前年には会員一種証券外務員資格試験に合格し、株式投資や投資信託、デリバティブ・ポートフォリオに関する学習を進めてきた私でしたが、試験はめちゃくちゃ難しく感じました。一度の受験で合格には至ったものの自己採点では合格ラインギリギリでの突破となりました。
個人的には、最初のほうに金融資産運用設計を受験すると心が折れてしまう可能性があるため(汗)ある程度試験に慣れてきた終盤のほうに受験するのがおすすめです。それまでにある程度の課目に合格していれば、終盤で諦めることも少なくなるのではとの想いも込めて。
課目ごとの難易度・合格率を参考に得意課目を考慮してバランスよく
直近 3年間の課目ごとの難易度・合格率の平均合格率を確認してみましょう。
金融 | 不動産 | ライフ | リスク | タックス | 相続 |
---|---|---|---|---|---|
33.0% | 37.0% | 36.0% | 36.0% | 37.0% | 36.0% |
平均合格率の高い順から、不動産・タックス → ライフ・リスク・相続 → 金融 という順になりました。
実務経験の有無や自身の得意不得意なども考慮して、バランスよく受験されることをおすすめします。
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CFP®資格審査試験 日程から考案
CFP®資格審査試験は、全 6課目を 3課目ずつ 2日間にわたって実施されます。1度に複数課目の受験を検討されている方は、この試験日程を効果的に活用できる場合があります。
ここでは、試験日程から受験課目の組み合わせを考えてみます。
CFP®資格審査試験 日程
CFP®資格審査試験は、6月と 11月の年 2回実施されています。以下が詳細なスケジュールです。
試験時間 | 試験課目 | |
---|---|---|
試験第1日目 各120分 | 9:30~11:30 | 金融資産運用設計 |
12:30~14:30 | 不動産運用設計 | |
15:30~17:30 | ライフプランニング・リタイアメントプランニング | |
試験第2日目 各120分 | 9:30~11:30 | リスクと保険 |
12:30~14:30 | タックスプランニング | |
15:30~17:30 | 相続・事業承継設計 |
上記のように、試験は全 6課目を 3課目ずつ 2日間にわたって実施されています。よほど試験に自信がある方でなければ、1回の受験で 2課目ずつ、1週目と 2週目に受験課目を分けて受験することで、効果的に学習を進められるためおすすめです。
受験料は 1課目 6,600円ですが、1度に 2課目以上の出願は 1課目ごとに3,300円が加算される仕組みとなっているため、お得に受験できます。
※2024年度第1回試験より受験料改定
※学習の進捗状況に合わせて無理のない受験計画を立てましょう。
受験地に注意
受験の際には、受験地に注意しましょう。
CFP®資格審査試験は、24地区で実施されています。
札幌、仙台、水戸、宇都宮、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、金沢、松本、静岡、名古屋、京都、大阪、松江、岡山、広島、高松、松山、福岡、熊本、那覇
※2024年度第 1回試験から受験地が増設されています。
前節で「1回の受験で 2課目ずつ、1週目と 2週目に受験課目を分けての受験がおすすめ」と解説しましたが、受験地から離れた地域から来場される方は、できるだけ交通費をかけないように受験課目をまとめることも検討しましょう。
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CFP®資格審査試験を受験した結果
ここからは、実査に CFP®資格審査試験全 6課目合格に至った私の受験状況を紹介します。下記の別記事では合格体験記も記事にしていますので、参考程度にお読みいただけば幸いです。
CFP®資格審査試験前のわたしの知識と実務経験
現在、生命保険会社に在籍する私にとって、リスクと保険が一番自信があった課目でした。逆に、FP(ファイナンシャル・プランニング) 2級技能試験で不動産分野に苦戦をしいられたことから不動産資産運用設計には苦手意識がありました。
また、金融業界に 20年以上在籍し、金融資産運用設計の受験前年には会員一種証券外務員資格試験、相続アドバイザー 3級を取得したこともあり、金融資産運用設計と相続・事業承継設計にはある程度の自信がありました。
- リスクと保険に自信
- 金融資産運用設計と相続・事業承継設計にもある程度の自信
- 不動産資産運用設計に苦手意識
CFP®資格審査試験 受験計画と結果
課目 | 合格ライン | 自己採点 | 合否 | |
---|---|---|---|---|
2021年度 第1回 | タックス | 33/50 | 36/50 | 〇 |
相続 | 32/50 | 32/50 | 〇 | |
2021年度 第2回 | 不動産 | 32/50 | 37/50 | 〇 |
ライフ | 32/50 | 41/50 | 〇 | |
2022年度 第1回 | 金融 | 28/50 | 31/50 | 〇 |
リスク | 29/50 | 35/50 | 〇 |
1回の受験で 2課目ずつ受験することで効果的に学習を進められ、すべての課目が一度の受験で合格ライン到達となりました。
想定外だったのは、CFP®資格審査試験受験前にある程度の自信を持っていた金融資産運用設計と相続・事業承継設計で思わぬ苦戦を強いられ、いずれも合格ラインギリギリでの到達となりました。
CFP®資格認定後は
CFP®資格認定後は、2年ごとに資格更新が義務付けられているため、資格更新の要件として所定の継続教育単位を取得する必要があります。
継続教育単位を取得するには、「研修の受講」や「執筆」、「講師」、「協会が承認した「スタディ・グループ(SG)における勉強会」など、さまざまな方法があり、組み合わせて単位を取得することができます。「執筆」や「講師」などの継続教育単位の取得方法は、経験がない方にはかなりハードルが高いため、「認定教育機関による継続教育研修」はおすすめです。
株式会社アーティスソリューションズが運営する資格対策ドットコム「FP資格継続教育パック」は、CFP®資格の資格更新に必要となる「単位数」「必須課目」「必要課目数」が一つの継続教育パックとなっています。
アーティスの継続教育研修は、低価格で必要単位をまとめて取得できます!できるだけ時間もお金もかけたくない方には特におすすめです。
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まとめ | CFP®資格審査試験 おすすめの受験課目の組み合わせ
いかがでしたでしょうか。今回は、CFP®資格審査試験全 6課目の受験に際して、実際に CFP®資格審査全 6課目に合格に至った筆者が受験課目の組み合わせを考案させていただきました。
受験課目の組み合わせのポイント
- 課目ごとの関連性を考慮
- タックスプランニングは早めに受験
- 課目ごとの難易度・合格率のほか得意不得意課目を考慮
- 試験日程を考慮
- おすすめは 2課目ずつの受験
「正解」は人それぞれなので、参考程度にしていただければ幸いです。
CFP®資格審査試験は 6課目受験という長丁場から、気力と体力がなによりも重要です。合格後の自分をイメージしてモチベーションを維持し、最後まで駆け抜けましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
by ARTIS
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