こんにちは、ファイナンシャルプランナーの hiro です。
FPの資格の最高峰に、日本FP協会から認定されるCFP®(Certified Financial Planner)があります。CFP®は、民間資格ながら世界 25ヶ国・地域で認められる国際資格です。CFP®認定者になるためには、全 6課目のCFP®資格審査試験に合格する必要があります。
そこで今回は、CFP®資格審査試験の不動産運用設計課目の難易度や学習のポイントに解説していきます。
- 不動産運用設計の受験を考えている
- 試験の難易度や合格ライン、おすすめの学習教材を知りたい
- 試験に向けた学習のポイントを知りたい
不動産運用設計では、不動産に関する基本的な知識に加えて個々具体的な課題の解決に活用できる応用力も要求されます。
専門的な用語や法律用語が多く出てくるため、一般的な人には言葉が難しく感じることもあります。試験に向けて適切な学習や準備を進めることで、専門用語や言葉の理解も深まり、スムーズに解答できるようになるでしょう。
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不動産運用設計 試験日程と難易度・合格率
不動産運用設計では、不動産の売買、賃貸借、有効活用、課税関連、法令、価格評価など不動産に関する基本的な知識を問われます。また、その基本的な知識を実際の場面に活用して、個々具体的な課題の解決に活用できる応用力も要求されます。
専門用語や法的な表現が多く含まれているため、一般的に言葉が難しく感じられることがあります。適切な学習や準備を進めていきましょう。
CFP®資格審査試験日程
CFP®資格審査試験は、6月と 11月の年 2回実施されています。不動産運用設計の試験日程を確認してみましょう。
試験時間 | 試験課目 | |
---|---|---|
試験第1日目 各120分 | 9:30~11:30 | 金融資産運用設計 |
12:30~14:30 | 不動産運用設計 | |
15:30~17:30 | ライフプランニング・リタイアメントプランニング | |
試験第2日目 各120分 | 9:30~11:30 | リスクと保険 |
12:30~14:30 | タックスプランニング | |
15:30~17:30 | 相続・事業承継設計 |
試験は全 6課目を 3課目ずつ 2日間にわたって実施されますが、不動産運用設計の試験は、試験第 1日目の 2時限目に予定されています。
受験地から離れた地域から来場される方は、できるだけ交通費をかけないように受験課目をまとめることも検討しましょう。
札幌、仙台、水戸、宇都宮、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、金沢、松本、静岡、名古屋、京都、大阪、松江、岡山、広島、高松、松山、福岡、熊本、那覇
※2024年度第 1回試験から受験地が増設されています。
不動産運用設計 難易度
まずは直近 3年間の課目ごとの難易度・合格率を確認してみましょう。
課目 | 2021年度 第2回 | 2022年度 第1回 | 2022年度 第2回 | 2023年度 第1回 | 2023年度 第2回 | 2024年度 第1回 |
---|---|---|---|---|---|---|
金融 | 37.0% | 34.3% | 31.4% | 30.7% | 33.4% | 29.5% |
不動産 | 35.4% | 37.1% | 38.5% | 35.8% | 38.1% | 36.5% |
ライフ | 38.3% | 35.9% | 36.8% | 35.6% | 35.4% | 31.0% |
リスク | 41.0% | 34.8% | 36.2% | 31.8% | 35.3% | 35.7% |
タックス | 37.5% | 36.0% | 36.7% | 39.0% | 35.6% | 36.1% |
相続 | 35.0% | 39.8% | 38.4% | 31.4% | 34.3% | 37.9% |
課目ごとに平均合格率の高い低いはありますが、直近 3年間の CFP®資格審査試験のすべての課目を平均すると合格率は 36.0%となります。
上記の表から直近 3年間の課目ごとの難易度・合格率の平均合格率を確認すると、平均合格率が低く難易度が高い順から以下の順になります。
- 金融資産運用設計/合格率 33.0%
- ライフプランニング・リタイヤメントプランニング/合格率 36.0%
リスクと保険/合格率 36.0%
相続・事業承継設計/合格率 36.0% - 不動産資産運用設計/合格率 37.0%
タックスプランニング/合格率 37.0%
直近 3年間の CFP®資格審査試験の課目ごとの合格率を平均すると、一番合格率が高く難易度が低い課目は不動産資産運用設計とタックスプランニングの合格率 37.0%という結果になりました。
実務経験の有無や自身の得意不得意などを考慮する必要がありますので、参考程度に留めてください。
不動産運用設計 試験傾向とテキスト・問題集
試験に向けた学習を始める前に、合格ラインやテキスト・問題集、試験傾向を確認しましょう。
これから不動産運用設計を受験される方は参考にしてください。
目指すべき合格ラインを確認
ここで直近 3年間の不動産運用設計の合格ラインを確認してみましょう。
2021年度 第2回 | 2022年度 第1回 | 2022年度 第2回 | 2023年度 第1回 | 2023年度 第2回 | 2024年度 第1回 | |
---|---|---|---|---|---|---|
合格ライン | 32/50 | 29/50 | 32/50 | 31/50 | 30/50 | 31/50 |
直近 3年間の合格ラインは、50問中 29~ 32問(100点満点中 58~ 64点)となっているようです。60%の正答率では合格ライン突破は困難に感じられるため 64%以上の正答率は目指したいですね。
学習テキスト・問題集
ここでは、CFP®資格審査試験に向けた学習教材を紹介します。
CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集/FPK研修センター株式会社
まずは、FPK研修センター株式会社から発行されている CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集は必須です。
約 300問の問題がわかりやすい解説付きで出題されています。実際の試験では、パターン化されている問題と、新しい形式で出題される問題とがありますので、すくなくともこの精選過去問題集はスムーズに解けるようにしておく必要があります。
CFP®資格標準テキスト/NPO法人日本FP協会
自信がない課目は NPO法人日本 FP協会から発行されている CFP®資格標準テキストで確認しながら学習を進めましょう。正直、CFP®精選過去問題集を活用した学習で十分合格ラインに到達できるかと思われますが、特に不安を感じる課目があれば購入を検討されてみてはいかがでしょうか。
CFP®資格審査試験問題集/NPO法人日本FP協会
試験直前には、こちらも NPO法人日本 FP協会から発行されている CFP®資格審査試験問題集で、時間を図りながら実戦形式で過去の CFP®資格審査試験問題に挑みます。本番前に解答ペースや時間配分などを確認しておきましょう。
CFP®資格審査試験問題集は、LEC東京リーガルマインド オンラインショップからだと割安価格で購入することができます。
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傾向と対策
不動産運用設計では、不動産の売買、賃貸借、有効活用、課税関連、法令、価格評価など不動産に関する基本的な知識を問われます。また、その基本的な知識を実際の場面に活用して、個々具体的な課題の解決に活用できる応用力も要求されます。
効率的に学習を進めていきましょう。
不動産運用設計の過去の出題傾向を確認すると、およそ文章問題が 7割、計算問題が 3割の割合で出題されています。
計算問題はある程度パターン化されているため、算出方法・ポイントを押さえて過去問を繰り返し解くことで十分に対応できます。
不動産運用設計では、専門的な用語や法律用語が多く出てくるため、一般的な人にとっては言葉が難しく感じることがあります。特に不動産取引に関する法律や契約書の解釈などは、専門知識を要する場合があります。また、不動産の評価や査定に関する用語や手法もあり、これらを理解する必要があります。
試験に向けて適切な学習や準備を進めることで、専門用語や言葉の理解も深まりスムーズに解答できるようになるでしょう。
不動産運用設計では、相続・事業承継設計の課目との横断的な問題が多く出題されます。
- 不動産の譲渡と税金
- 相続した空き家を譲渡した場合の3,000万円特別控除
- 相続税の取得費加算の特例等
- 財産評価
- 宅地・建物の評価
- 小規模宅地の評価減・減額計算
一般的には難しさを感じる出題項目になりますが、相続・事業承継設計の課目と同時に学習を進めることで、効率よく学ぶことができることでしょう。
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不動産運用設計試験に向けた勉強方法・学習のポイント
ここからは、試験に向けた勉強方法や学習のポイントについて解説していきます。
一つひとつ解説していきます。
CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集を反復して学習
まずは、FPK研修センター株式会社から発行されている CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集を反復してやり込みましょう。
問題集を何度も解くことで、問題の種類や出題形式に慣れることができます。また、反復することで自身の理解度や演習の能力を向上させることができます。さらに、間違えた問題に対しては復習を行い、正しい解法や考え方を確認することも重要です。
この CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集は、約 300問の問題がわかりやすい解説付きで出題されています。1周するのに 30時間かかるとも言われています。2週目、3周目と反復してやり込むことで徐々に時間が短縮されていきます。実際の試験では、パターン化されている問題と、新しい形式で出題される問題とがありますので、すくなくともこの精選過去問題集はスムーズに解けるようにしておく必要があります。
最新法令に合わせてテキストや問題集は毎年改訂されます。当然ですが、古いテキストや問題集では法改正なども含めた最新の知識を学ぶことができません。必ず最新のテキストや問題集で学習を進めましょう。
不動産業界は法律や規制が頻繁に変わるため、最新の情報を把握する必要があります。必ず最新のテキストや問題集で学習を進めましょう。
理解を深める努力
単に問題を解くだけでなく、解法や理論の背景を理解することも忘れずにやりましょう。
精選過去問題集で学習を進めていくなかで、理解が難しいときがあります。そんなとき、テキストなどで確認しながら学習を進めていくことも有効ですが、もし専門的な知識を持った家族や友人・知人、同僚などが身近にいれば、その方にアドバイスいただくことが非常に有効です。
わたしの場合、CFP®認定者の同僚が身近にいたため、アドバイスをいただき理解を深めることができました。
常に質問や疑問を持ち、理解を深める努力をしましょう。
モチベーションの維持
CFP®資格審査試験は全 6課目が設けられているため、1度に 2課目ずつ受験したとしてもすべての課目に合格するまで 1年以上の長期間に渡って学習に取り組まなければなりません。
つまり、気力・体力・集中力が重要になってきます。
心が折れそうになったときは、CFP®資格認定後の自分の姿を想像しましょう。CFP®資格認定後のキャリアや仕事の道、自己成長の可能性、新たなスキルや知識の獲得、そして自分自身や周囲の人々への誇りなどイメージしてみてください。目標達成へのモチベーションが高まり、努力を続ける力になることでしょう。
試験直前にはCFP®資格審査試験問題集に実践形式で挑戦
試験直前には、NPO法人日本 FP協会から発行されている CFP®資格審査試験問題集で、時間を図りながら実戦形式で過去の CFP®資格審査試験問題に挑みます。本番前に解答ペースや時間配分などを確認しておきましょう。
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不動産運用設計を受験して
ここからは、実際に不動産運用設計を受験したわたしの学習教材と学習・受験費用、学習時間、受験結果などを紹介していきます。
FP 2級技能試験を受験したときから不動産科目には苦手意識があったため、どのような組み合わせで受験しようか考えた結果、2回目の受験でライフプランニング・リタイヤメントプランニングの課目との 2課目同時受験を選択しました。
学習教材と学習・受験費用
実際に試験対策に使用した教材は以下の 3点です。
- CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集
- CFP®資格標準テキスト
- CFP®資格審査試験問題集(過去 2回分)
FP 2級技能試験を受験した際に、不動産科目には苦手意識があったため、CFP®資格標準テキストまで揃えて学習を進めていきました。
受験料を含めて掛かった費用は以下のとおりです。
- CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集/0円
- CFP®資格標準テキスト/2,530円
- CFP®資格審査試験問題集×2冊/1,540円
- 受験料/4,950円
※2課目受験割引適用 ※2024年度第1回試験より改定 - 交通費/約 3,040円
学習教材と学習・受験費用総額で約 12,060円となりました。
CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集が 0円となっているのは、同時期に CFP®資格審査試験を受験した同僚から譲り受けたからです。
CFP®資格審査試験は全 6課目ありますので、CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集をすべて揃えるだけでもかなりの費用がかかります。同時期に試験を受験される方が身近にいれば、すでに合格した課目のテキストや問題集を交換して学習するのも良いでしょう。
学習時間
わたしがCFP®資格審査試験に挑戦した当時は、ちょうど新型コロナウイルス感染症が流行している時期で、不要不急の外出を控えるなど行動制限がかかっていたこともあり、学習時間は十分に確保できました。
受験日を 11月に設定し、試験日 4ケ月前となる 7月から学習を始めました。ライフプランニング・リタイヤメントプランニングとの 2課目受験でしたが、不動産運用設計だけで約 100時間は試験対策に取り組めました。
受験結果
試験は 1度の試験で 2課目ずつ受験していきました。
2021年度 第1回 | 2021年度 第2回 | 2022年度 第1回 |
---|---|---|
タックス | 不動産 | 金融 |
相続 | ライフ | リスク |
不動産運用設計の試験では、試験時間いっぱいかかりましたが、集中して挑むことができました。CFP®資格審査試験 2回目の受験ということもあり、会場の雰囲気にも慣れてきたことがあるのかもしれません。ただ、この 2回目の受験あたりが精神的疲労を一番感じました。試験が終わったらへとへとになりました。
課目 | 合格ライン | 自己採点 |
---|---|---|
不動産 | 32/50 | 37/50 |
試験結果はみごと 1度の受験で合格ライン到達! 50問中 37問正答(100点満点中 74点)と、余裕をもって合格ラインに到達することができました。
まとめ | 不動産運用設計
今回は、CFP®資格審査試験の不動産運用設計課目の試験範囲と対策のポイントを解説してきました。
不動産運用設計では、不動産の売買、賃貸借、有効活用、課税関連、法令、価格評価など不動産に関する基本的な知識を問われます。また、その基本的な知識を実際の場面に活用して、個々具体的な課題の解決に活用できる応用力も要求されます。
専門的な用語や法律用語が多く出てくるため、一般的な人には言葉が難しく感じることもあります。試験に向けて適切な学習や準備を進めることで、専門用語や言葉の理解も深まり、スムーズに解答できるようになるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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