こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの hiro です。
銀行などの金融機関では、コンプライアンスの重要性が定着し基本方針やコンプライアンス体制などが企業のホームページで明示されています。
今回は、銀行などの金融機関で資格の取得を推奨される金融コンプライアンス・オフィサーの資格の基本情報、認定試験の難易度や取得のメリットなどについて解説していきます。
私は銀行員ではありませんが、金融業界に身を置く立場として「金融コンプライアンス・オフィサー2級」は取得しています。
- 銀行などの金融機関でキャリアアップに活かしたい
- 銀行などの金融機関で管理職を目指している
- 銀行などの金融機関で営業活動や窓口業務よりも管理や指導・育成に関心がある
これから資格取得を目指す方は参考にしてください。
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金融コンプライアンス・オフィサーとは
金融コンプライアンス・オフィサーは、日本金融コンプライアンス・オフィサー協会が主催する認定試験です。
金融コンプライアンス・オフィサー認定試験の主旨
金融機関行職員等が資質として備えておくべき法令等に関する知識や、倫理観・社会的常識等の習得程度を測定いたします。
日本コンプライアンス・オフィサー協会公式HPより引用
この試験は、主として銀行などの金融機関の管理者、及び一般行職員向けに行われていて、日常業務において直面するコンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得度を判定するものであるとされています。
受験に際しての資格に制限はありません。金融業界に勤めている方であれば取得を推奨される認定試験ですが、銀行の役職者は取得が必須とも言われています。
認定試験の種類
金融コンプライアンス・オフィサーの資格には、1級と2級が設けられています。
試験の内容上、1級は銀行等金融機関の上級管理者向き、2級は初級管理者および一般行職員向きとなっています。
日本コンプライアンス・オフィサー協会公式HPより引用
一般的に上級管理者とは部長以上を指し、課長職を中級管理者、課長代理や係長を初級管理者と指すことが多いようですね。
- 上級管理者 ➡ 部長以上
- 中級管理者 ➡ 課長職
- 初級管理者 ➡ 課長代理や係長
認定試験の試験内容
金融コンプライアンス・オフィサー認定試験では、金融機関の「法令遵守態勢」構築の要になるだけに、「遵守」の対象になる法令の知識が要求されます。
- 金融機関とコンプライアンス
- 金融取引とコンプライアンス
- 内部のリスク管理態勢とコンプライアンス
認定試験の出題範囲は1級、2級ともに同じ科目構成となります。また、両方とも合格ラインは60%以上の正答率が求められます。
1級 | 2級 | |
---|---|---|
出題形式 | 記述式10問 | 四答択一マークシート式50問 |
試験時間 | 180分 | 120分 |
受験料 | 8,250円(税込) | 5,500円(税込) |
安い受験料ではないので、受験を検討される方は、しっかりと学習し一回の受験での合格を目指しましょう!
銀行業務検定協会は、1968年2月に第1回銀行業務検定試験・法務3級を実施し、現在23系統36種目を実施する弊会の姉妹団体です。その試験運営ノウハウは他の追随を許すところではなく、弊会の認定試験は、試験委員会の運営および試験の実施に係る事務につきましても、銀行業務検定協会への委託に拠っています。
その意味では、銀行業務検定試験と一緒に団体受験される場合などは、受験申込み等事務手続き面では銀行業務検定試験と同じに考えていただいてかまいません。
日本コンプライアンス・オフィサー協会|日本コンプライアンス・オフィサー協会とはより引用
認定試験は、姉妹団体である銀行業務検定協会へ委託されていて、経済法令研究会によって運営され全国一斉公開試験となっています。ただし、金融コンプライアンス・オフィサー2級認定試験についてはCBT方式の受験が認められているため、試験会場となるテストセンターで好きな日時で受験が可能です。
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認定試験の難易度・合格率と学習方法
認定試験は、2級を取得してからでないと1級を受験できないなどといった制限はありませんが、1級認定試験では難易度が一気に上がるため、まずは2級認定試験から着実に学習を進めていきましょう。
最近の認定試験の合格率(認定率)をまとめましたので参照ください。
金融コンプライアンス・オフィサー2級 難易度・合格率(認定率)
直近3年間の合格率(認定率)を確認を確認してみましょう。
試験開催時期 | 受験者数 | 認定者数 | 認定率 |
---|---|---|---|
第63回(24.10) | 1,472 | 973 | 66.10% |
第62回(24.06) | 1,353 | 850 | 62.82% |
第60回(23.10) | 1,551 | 970 | 62.54% |
第59回(23.06) | 1,520 | 1,026 | 67.50% |
第57回(22.10) | 2,197 | 1,374 | 62.54% |
第56回(22.06) | 2,386 | 1,675 | 70.20% |
直近3年間の試験の合格率(認定率)を確認してみたところ、合格率(認定率)は62.54%~70.20%となっているようです。
合格率(認定率)からも読み取れるように、2級認定試験はやさしい試験に分類されます。
実際に私が金融コンプライアンス・オフィサー2級認定試験を受験した感想としては、金融業界に身を置いていれば常識に感じられる問題や倫理的な問題が多く出題されるため、少しでも金融分野に見識がある方にとっては苦戦を強いられる試験ではありません。ただし、まったく試験対策をしないで受験すれば当然に落ちます(-ω-)/
金融コンプライアンス・オフィサー1級 難易度・合格率(認定率)
直近3年間の合格率(認定率)を確認を確認してみましょう。
試験開催時期 | 受験者数 | 認定者数 | 認定率 |
---|---|---|---|
第63回(24.10) | 225 | 80 | 35.56% |
第62回(24.06) | 160 | 52 | 32.50% |
第60回(23.10) | 203 | 73 | 35.96% |
第59回(23.06) | 206 | 86 | 41.75% |
第57回(22.10) | 245 | 96 | 39.18% |
第56回(22.06) | 228 | 77 | 33.77% |
1級認定試験では、合格率(認定率)が32.50%~ 41.75%となっているようです。難易度が一気に上がりますね。
認定試験に向けた学習方法
基本的にはグループである日本コンプライアンス・オフィサー協会や経済法令研究会から発行されている公式テキストと問題解説集で学習を進めることになります。
公式テキストや問題解説集は経済法令研究会公式HPのほか、楽天市場
問題解説集を解いていき、わからない箇所や不安な箇所は公式テキストで確認する学習法を繰り返すことで十分に合格ラインに到達できることでしょう。
問題解説集は最低でも3周は取り組みたいですね!
金融コンプライアンス・オフィサー認定のメリット
金融コンプライアンス・オフィサー資格を取得することには、以下のようなメリットがあります。
金融コンプライアンス・オフィサーの資格取得は、金融業界でのキャリアにおいて非常に有益です。
資格取得によって、自身の専門知識やスキルをアピールすることができます。
専門知識の習得と法令遵守の重要性の理解
金融業界の法規制、規範、内部統制の知識を深めることができ、コンプライアンス業務に必要な知識を体系的に学べます。これによって、金融機関や企業でのコンプライアンス業務を効果的に実施できるようになります。
また、コンプライアンス業務を担当することで、金融機関が法令遵守をどのように実践しているのか、またその実践がビジネスに与える影響を理解することができます。これによって、組織全体の運営に対する貢献度が高まることでしょう。
信頼性の向上と法的リスクの軽減
コンプライアンス・オフィサーとして、法令や規制違反を防止することが求められます。資格を持っていることで、リスク管理能力が高まり、企業の法的リスクを減少させることができます。
資格を持っていることは、企業や取引先からの信頼を得るための有力な手段です。特に、金融機関や規制の厳しい業界では、コンプライアンス体制の充実が求められ、資格取得者の存在は企業の信頼性向上に貢献します。
銀行などの金融機関でキャリアアップに活かせる
金融コンプライアンス・オフィサー認定試験は、金融機関行職員等が資質として備えておくべき法令等に関する知識や、倫理観・社会的常識等の習得程度を測定する認定試験です。
銀行業界では、コンプライアンスの専門知識と経験を持つ資格を持っている人材を求める傾向があります。資格取得によって自分の市場価値を高めることができます。昇職や昇給、新たなキャリアパスを広げられる可能性があります。
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金融コンプライアンス・オフィサー認定後に目指したい資格
金融コンプライアンス・オフィサー認定試験は、金融機関行職員等が資質として備えておくべき法令等に関する知識や、倫理観・社会的常識等の習得程度を測定するための認定試験です。金融コンプライアンス・オフィサー資格を取得された方には、以下のような資格がおすすめです。
認定後に目指したい資格
これらの資格は、金融業界でのキャリアアップにもつながる資格です。ぜひ、目指されてみてはいかがでしょうか。
メンタルヘルス・マネジメント検定
メンタルヘルス・マネジメント検定は、メンタルヘルスの知識とスキルを評価するための検定試験で、大阪商工会議所と施行商工会議所が主催しています。この検定は、個人や組織がメンタルヘルスの問題を適切に認識し、効果的な対応策を実施する能力を評価するために設けられています。
検定試験の受験者は、メンタルヘルスの基礎知識、予防と早期発見、心理的な負荷とストレスの管理、適切な対応方法、支援リソースの活用などについての知識と理解を持っていることが求められます。検定試験に合格することで、個人は自身のメンタルヘルスの管理能力を向上させることができ、組織ではメンタルヘルスに関する問題に適切に対処することができるスタッフを育成することができます。
メンタルヘルス・マネジメント検定は、個人や組織のメンタルヘルスの向上を促すための重要な手段となっています。
銀行業務検定
銀行業務検定とは、金融コンプライアンス・オフィサー協会と姉妹団体である銀行業務検定協会が主催する検定試験です。
銀行業務検定は、業務遂行に必要な実務知識や技能・応用力についてその習得度を測ることを目的とする検定試験です。資格保有者は銀行などの金融機関では高く評価され、昇進などのキャリアアップに活かすことができます。また、銀行業務に必要な知識やスキルが身につくため、銀行などの金融機関以外の証券会社や生命保険会社などでも評価される場合があります。
銀行業界では、資格を持っている人材を求める傾向がありますので、検定試験を受けることで自分の市場価値を高めることができます。銀行業務検定を取得することで、自身のキャリパスを広げることができるでしょう。
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まとめ|金融コンプライアンス・オフィサー
金融コンプライアンス・オフィサー認定試験は、主として銀行などの金融機関の管理者、及び一般行職員向けに行われており、日常業務において直面するコンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得度を判定するものであるとされています。認定試験では、金融機関の法令遵守態勢構築の要になるだけに「遵守」の対象となる法令の知識が問われます。
金融業界に勤めている方であれば取得を推奨される認定試験ですが、銀行員の役職者は取得が必須とも言われています。
直近 3年間の合格率 | |
---|---|
2級 | 62.54%~70.20% |
1級 | 32.50%~ 41.75% |
銀行などの金融機関でキャリアップを目指す方は、ぜひ資格取得に努めてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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