こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの hiro です。
銀行などの金融機関では、コンプライアンスの重要性が定着し基本方針やコンプライアンス体制などが企業のホームページで明示されています。
そこで今回は、銀行などの金融機関で資格の取得を推奨される金融コンプライアンス・オフィサーの資格の基本情報、認定試験の難易度や取得のメリットなどについて紹介していきます。

私は銀行員ではありませんが、金融業界に身を置く立場として「金融コンプライアンス・オフィサー2級」は取得しました。
本記事が、資格取得の参考になれば幸いです。
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金融コンプライアンス・オフィサーとは


金融コンプライアンス・オフィサーは、日本金融コンプライアンス・オフィサー協会が主催する認定試験です。
金融機関行職員等が資質として備えておくべき法令等に関する知識や、倫理観・社会的常識等の習得程度を測定いたします。
日本コンプライアンス・オフィサー協会公式HPより引用
この試験は、主として銀行などの金融機関の管理者、及び一般行職員向けに行われており、日常業務において直面するコンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得度を判定するものであるとされています。
受験に際しての資格に制限はありません。金融業界に勤めている方であれば取得を推奨される認定試験ですが、銀行の役職者は取得が必須とも言われています。
認定試験の種類
金融コンプライアンス・オフィサーの資格には、1級と2級が設けられています。
試験の内容上、1級は銀行等金融機関の上級管理者向き、2級は初級管理者および一般行職員向きとなっています。
日本コンプライアンス・オフィサー協会公式HPより引用
一般的に上級管理者とは部長以上を指し、課長職を中級管理者、課長代理や係長を初級管理者と指すことが多いようですね。
認定試験の試験内容
金融コンプライアンス・オフィサー認定試験では、金融機関の「法令遵守態勢」構築の要になるだけに、「遵守」の対象になる法令の知識が要求されます。
- 金融機関とコンプライアンス
- 金融取引とコンプライアンス
- 内部のリスク管理態勢とコンプライアンス
認定試験の出題範囲は1級も2級も同じ範囲になりますし、双方ともに合格ラインも 60 %以上の正答率が求められます。
1級 | 2級 | |
---|---|---|
出題形式 | 記述式 10問 | 四答択一マークシート式 50問 |
試験時間 | 180分 | 120分 |
受験料 | 8,250円(税込) | 5,500円(税込) |
受験料は 2022 年度から改定されていますので確認が必要です。



安い受験料ではないので、受験を検討される方は、しっかりと学習し一回の受験での合格を目指しましょう!
銀行業務検定協会は、1968年2月に第1回銀行業務検定試験・法務3級を実施し、現在23系統36種目を実施する弊会の姉妹団体です。その試験運営ノウハウは他の追随を許すところではなく、弊会の認定試験は、試験委員会の運営および試験の実施に係る事務につきましても、銀行業務検定協会への委託に拠っています。
その意味では、銀行業務検定試験と一緒に団体受験される場合などは、受験申込み等事務手続き面では銀行業務検定試験と同じに考えていただいてかまいません。
日本コンプライアンス・オフィサー協会公式HPより引用
認定試験は、姉妹団体である銀行業務検定協会へ委託されており、経済法令研究会によって運営され全国一斉公開試験となっています。ただし、金融コンプライアンス・オフィサー2級認定試験についてはCBT方式の受験が認められているため、試験会場となるテストセンターで好きな日時で受験できます。
※CBTとは「Computer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)」の略称で、コンピュータを使った試験方式のことです。
\(株)CBTソリューションズ公式HP/
認定試験の難易度と学習方法


認定試験は、2級を取得してからでないと1級を受験できないなどといった制限はありませんが、1級認定試験では難易度が一気に上がりますので、まずは2級認定試験からの受験をおすすめします!
直近の認定試験の合格率をまとめましたので参照ください。
金融コンプライアンス・オフィサー2級成績結果
試験開催時期 | 合格率 |
---|---|
第52回 (2021年03月07日(日) 実施) | 84.68% |
最近の認定試験の合格率を確認してみたところ、2級認定試験では概ね 85 %前後となっているようです。
合格率からも読み取れるように、2級認定試験はやさしい試験に区分されます。
実際に私が金融コンプライアンス・オフィサー2級認定試験を受験した感想としては、金融業界に身を置いていれば常識に感じられる問題や倫理的な問題が多く出題されるため、少しでも金融分野に見識がある方にとっては苦戦を強いられる試験ではありません。
ただし、まったく試験対策をしないで受験すれば当然に落ちます(-ω-)/
金融コンプライアンス・オフィサー1級成績結果
試験開催時期 | 合格率 |
---|---|
第56回 (2022年06月05日(日) 実施) | 33.77% |
第53回 (2021年06月06日(日) 実施) | 36.86% |
1級認定試験では概ね 33 ~ 37 %となっております。難易度が一気に上がりますね。
学習方法
基本的にはグループである日本コンプライアンス・オフィサー協会や経済法令研究会から発行されている公式テキストと問題解説集で学習を進めることになります。
公式テキストや問題解説集は経済法令研究会公式サイトのほか、楽天やAmazonでも購入できます。
問題解説集を解いていき、わからない箇所や不安な箇所は公式テキストで確認するを繰り返す学習方法で十分に合格ラインに到達できるはずです!



問題解説集は最低でも 3周は取り組みたいですね!
金融コンプライアンス・オフィサー認定のメリット


金融コンプライアンス・オフィサー認定のメリットは「銀行などの金融機関でキャリアアップを目指せること」これしかないように感じられます。
銀行などの金融機関に身を置く方にとってはメジャーな認定試験ですが、一般的にはマイナーな認定試験で「就職・転職に有利である」といった話しを聞いたことがありません。
もちろんこれから銀行などの金融機関への就職を希望されている方にとっては、年会費がかかるわけでもないですし、取得していて重荷になる認定試験ではありませんので資格取得に損はありません。
個人的には、これから金融機関への就職を考えている方には「社会保険労務士」や「簿記」、「FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士」などの資格取得のほうがおすすめです。




まとめ | 金融コンプライアンス・オフィサー


金融コンプライアンス・オフィサー認定試験は、主として銀行などの金融機関の管理者、及び一般行職員向けに行われており、日常業務において直面するコンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得度を判定するものであるとされています。
認定試験では、金融機関の法令遵守態勢構築の要になるだけに「遵守」の対象となる法令の知識が問われます。
金融業界に勤めている方であれば取得を推奨される認定試験ですが、銀行員の役職者は取得が必須とも言われています。
銀行などの金融機関でキャリアップを目指す方は、ぜひ資格取得に努めてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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