こんにちは、ファイナンシャルプランナーの hiro です。
FPの資格の最高峰に、日本 FP協会から認定される CFP®(Certified Financial Planner)があります。CFP®は民間資格ながら世界 25ヶ国・地域で認められる国際資格です。CFP®認定者になるためには、全 6課目のCFP®資格審査試験に合格する必要があります。
そこで今回は、CFP®資格審査試験のリスクと保険課目の難易度や学習のポイントに解説していきます。
- リスクと保険の受験を考えている
- 試験の難易度や合格ライン、おすすめの学習教材を知りたい
- 試験に向けた学習のポイントを知りたい
リスクと保険の課目は、CFP®資格審査試験全 6課目のなかでも難易度が低く見られがちですが、過去 3年間の平均合格率を確認すると、不動産資産運用設計やライフプランニング・リタイヤメントプランニングの課目よりも合格率が低いです。
油断せずに適切な学習や準備を進めていきましょう。
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リスクと保険 試験日程と難易度・合格率
リスクと保険の試験は、生命保険分野・損害保険分野から構成されていて、どちらの分野も約款や提案書・重要事項説明書・保険証券等の抜粋から内容を読み解く出題が多く出題されます。基本的な商品知識や保険税務知識、法人契約の仕訳・経理処理の仕方についても理解しておく必要があります。
試験では保険証券や約款などの読取力が重要になります。落ち着いて読み解いていきましょう。
CFP®資格審査試験日程
CFP®資格審査試験は、6月と 11月の年 2回実施されています。リスクと保険の試験日程を確認してみましょう。
試験時間 | 試験課目 | |
---|---|---|
試験第1日目 各120分 | 9:30~11:30 | 金融資産運用設計 |
12:30~14:30 | 不動産運用設計 | |
15:30~17:30 | ライフプランニング・リタイアメントプランニング | |
試験第2日目 各120分 | 9:30~11:30 | リスクと保険 |
12:30~14:30 | タックスプランニング | |
15:30~17:30 | 相続・事業承継設計 |
試験は全 6課目を 3課目ずつ 2日間にわたって実施されますが、リスクと保険の試験は、試験第 2日目の 1時限目に予定されています。
受験地から離れた地域から来場される方は、できるだけ交通費をかけないように受験課目をまとめることも検討しましょう。
札幌、仙台、水戸、宇都宮、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、金沢、松本、静岡、名古屋、京都、大阪、松江、岡山、広島、高松、松山、福岡、熊本、那覇
※2024年度第 1回試験から受験地が増設されています。
リスクと保険 難易度
まずは直近 3年間の課目ごとの難易度・合格率を確認してみましょう。
課目 | 2021年度 第2回 | 2022年度 第1回 | 2022年度 第2回 | 2023年度 第1回 | 2023年度 第2回 | 2024年度 第1回 |
---|---|---|---|---|---|---|
金融 | 37.0% | 34.3% | 31.4% | 30.7% | 33.4% | 29.5% |
不動産 | 35.4% | 37.1% | 38.5% | 35.8% | 38.1% | 36.5% |
ライフ | 38.3% | 35.9% | 36.8% | 35.6% | 35.4% | 31.0% |
リスク | 41.0% | 34.8% | 36.2% | 31.8% | 35.3% | 35.7% |
タックス | 37.5% | 36.0% | 36.7% | 39.0% | 35.6% | 36.1% |
相続 | 35.0% | 39.8% | 38.4% | 31.4% | 34.3% | 37.9% |
課目ごとに平均合格率の高い低いはありますが、直近 3年間の CFP®資格審査試験のすべての課目を平均すると合格率は 36.0%となります。
上記の表から直近 3年間の課目ごとの難易度・合格率の平均合格率を確認すると、平均合格率が低く難易度が高い順から以下の順になります。
- 金融資産運用設計/合格率 33.0%
- ライフプランニング・リタイヤメントプランニング/合格率 36.0%
リスクと保険/合格率 36.0%
相続・事業承継設計/合格率 36.0% - 不動産資産運用設計/合格率 37.0%
タックスプランニング/合格率 37.0%
直近 3年間の CFP®資格審査試験の課目ごとの合格率を平均すると、リスクと保険の合格率 36.0%はほぼ平均的な難易度という結果になりました。
「リスクと保険の課目は難易度が低い」という言葉をたまに目にしますが、ほかの課目と比べてけっして難易度は低くないです!油断しないように注意しましょう!
実務経験の有無や自身の得意不得意などを考慮する必要がありますので、参考程度に留めてください。
リスクと保険 試験傾向とテキスト・問題集
試験に向けた学習を始める前に、合格ラインやテキスト・問題集、試験傾向を確認しましょう。
これからリスクと保険を受験される方は参考にしてください。
目指すべき合格ラインを確認
ここで直近 3年間のリスクと保険の合格ラインを確認してみましょう。
2021年度 第2回 | 2022年度 第1回 | 2022年度 第2回 | 2023年度 第1回 | 2023年度 第2回 | 2024年度 第1回 | |
---|---|---|---|---|---|---|
合格ライン | 33/50 | 29/50 | 29/50 | 27/50 | 30/50 | 28/50 |
直近 3年間の合格ラインは、50問中 28~ 33問(100点満点中 56~ 66点)となっているようです。60%の正答率では不安なため 66%以上の正答率は目指したいですね。
学習テキスト・問題集
ここでは、CFP®資格審査試験に向けた学習教材を紹介します。
CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集/FPK研修センター株式会社
まずは、FPK研修センター株式会社から発行されている CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集は必須です。
約 300問の問題がわかりやすい解説付きで出題されています。実際の試験では、パターン化されている問題と、新しい形式で出題される問題とがありますので、すくなくともこの精選過去問題集はスムーズに解けるようにしておく必要があります。
CFP®資格標準テキスト/NPO法人日本FP協会
自信がない課目は NPO法人日本 FP協会から発行されている CFP®資格標準テキストで確認しながら学習を進めましょう。正直、CFP®精選過去問題集を活用した学習で十分合格ラインに到達できるかと思われますが、特に不安を感じる課目があれば購入を検討されてみてはいかがでしょうか。
CFP®資格審査試験問題集/NPO法人日本FP協会
試験直前には、こちらも NPO法人日本 FP協会から発行されている CFP®資格審査試験問題集で、時間を図りながら実戦形式で過去の CFP®資格審査試験問題に挑みます。本番前に解答ペースや時間配分などを確認しておきましょう。
CFP®資格審査試験問題集は、LEC東京リーガルマインド オンラインショップからだと割安価格で購入することができます。
\ 日本FP協会が発行する過去本試験問題集を販売 /
LEC東京リーガルマインド オンラインショップ
傾向と対策
試験では、生命保険分野から 30問前後、損害保険分野から 20問前後出題されているようです。保険証券や約款などの抜粋から内容を読み解く出題のほか、基本的な商品知識や保険税務知識、法人契約の仕訳・経理処理の仕方についても理解しておく必要があります。
効率的に学習を進めていきましょう。
試験では、生命保険分野・損害保険分野ともに約款や提案書・重要事項説明書・保険証券等の抜粋から内容を読み解く出題が多く出題されます。
問題ごとに適切な時間を配分し、必要な情報を迅速かつ効率的に抽出する能力が求められます。CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集で繰り返し過去問を解くことで問題に慣れておきましょう。
焦らず落ち着いて読み解いていきましょう。
法人契約の仕訳・経理処理の仕方についても理解しておく必要があります。
法人契約の仕訳・経理処理は、一般的には専門的な知識やスキルを要するため、初めて経験する方にとっては難しい場合があります。
身近に簿記に精通している方がいれば、アドバイスを活用することでより理解力を深めることができることでしょう。
わたしの場合、日商簿記 2級保有の妻が身近にいたため、アドバイスをいただき理解を深めることができました。
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リスクと保険試験に向けた勉強方法・学習のポイント
ここからは試験に向けた勉強方法や学習のポイントについて解説していきます。
一つひとつ解説していきます。
CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集を反復して学習
まずは、FPK研修センター株式会社から発行されている CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集を反復してやり込みましょう。
問題集を何度も解くことで、問題の種類や出題形式に慣れることができます。また、反復することで自身の理解度や演習の能力を向上させることができます。さらに、間違えた問題に対しては復習を行い、正しい解法や考え方を確認することも重要です。
この CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集は、約 300問の問題がわかりやすい解説付きで出題されています。1周するのに 30時間かかるとも言われています。2週目、3周目と反復してやり込むことで徐々に時間が短縮されていきます。実際の試験では、パターン化されている問題と、新しい形式で出題される問題とがありますので、すくなくともこの精選過去問題集はスムーズに解けるようにしておく必要があります。
試験前には正答率が 90%を超えるくらいまで、とことんやり込みましょう。
最新法令に合わせてテキストや問題集は毎年改訂されます。当然ですが、古いテキストや問題集では法改正なども含めた最新の知識を学ぶことができません。必ず最新のテキストや問題集で学習を進めましょう。
理解を深める努力
単に問題を解くだけでなく、解法や理論の背景を理解することも忘れずにやりましょう。
精選過去問題集で学習を進めていくなかで、理解が難しいときがあります。そんなとき、テキストなどで確認しながら学習を進めていくことも有効ですが、もし専門的な知識を持った家族や友人・知人、同僚などが身近にいれば、その方にアドバイスいただくことが非常に有効です。
わたしの場合、CFP®認定者の同僚、そして日商簿記 2級保有の妻が身近にいたため、アドバイスをいただき理解を深めることができました。
常に質問や疑問を持ち、理解を深める努力をしましょう。
モチベーションの維持
CFP®資格審査試験は全 6課目が設けられているため、1度に 2課目ずつ受験したとしてもすべての課目に合格するまで 1年以上の長期間に渡って学習に取り組まなければなりません。
つまり、気力・体力・集中力が重要になってきます。
心が折れそうになったときは、CFP®資格認定後の自分の姿を想像しましょう。CFP®資格認定後のキャリアや仕事の道、自己成長の可能性、新たなスキルや知識の獲得、そして自分自身や周囲の人々への誇りなどイメージしてみてください。目標達成へのモチベーションが高まり、努力を続ける力になることでしょう。
試験直前にはCFP®資格審査試験問題集に実践形式で挑戦
試験直前には、NPO法人日本 FP協会から発行されている CFP®資格審査試験問題集で、時間を図りながら実戦形式で過去の CFP®資格審査試験問題に挑みます。本番前に解答ペースや時間配分などを確認しておきましょう。
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リスクと保険を受験して
ここからは、実際にリスクと保険を受験したわたしの学習教材と学習・受験費用、学習時間、受験結果などを紹介していきます。
生命保険会社に勤めるわたしは、リスクと保険の課目には絶対的な自信があったため、受験終盤に CFF®資格審査試験 6課目のなかでも特に難易度が高いと言われる金融資産運用設計との 2課目同時受験することには早々に決めていました。
学習教材と学習・受験費用
実際に試験対策に使用した教材は以下の 2点です。
- CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集
- CFP®資格審査試験問題集(過去 2回分)
受験料を含めて掛かった費用は以下のとおりです。
- CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集/0円
- CFP®資格審査試験問題集×2冊/1,540円
- 受験料/4,950円
※2課目受験割引適用 ※2024年度第1回試験より改定 - 交通費/約 6,080円
学習教材と学習・受験費用総額で約 12,570円となりました。
CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集が 0円となっているのは、同時期に CFP®資格審査試験を受験した同僚から譲り受けたからです。
CFP®資格審査試験は全 6課目ありますので、CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集をすべて揃えるだけでもかなりの費用がかかります。同時期に試験を受験される方が身近にいれば、すでに合格した課目のテキストや問題集を交換して学習するのも良いでしょう。
学習時間
わたしがCFP®資格審査試験に挑戦した当時は、ちょうど新型コロナウイルス感染症が流行している時期で、不要不急の外出を控えるなど行動制限がかかっていたこともあり、学習時間は十分に確保できました。
不動産資産運用設計・ライフプランニング・リタイヤメントプランニングの受験終了から翌年 6月に試験日を設定しました。試験日まで半年以上時間はありましたが、金融資産運用設計との 2課目受験ということがあり、ほとんどの学習時間をその金融資産運用設計のほうに取ってしまったため、リスクと保険に割いた学習時間としては約 40時間にとどまりました。
生命保険会社に勤めるわたしは、リスクと保険の課目には絶対的な自信がありました。
受験結果
試験は 1度の試験で 2課目ずつ受験していきました。
2021年度 第1回 | 2021年度 第2回 | 2022年度 第1回 |
---|---|---|
タックス | 不動産 | 金融 |
相続 | ライフ | リスク |
CFP®資格審査試験最終課目となったリスクと保険_完全に油断していたわたしにとって想像以上にわからない問題が多かったのです。それでも手ごたえは感じられました。
課目 | 合格ライン | 自己採点 |
---|---|---|
リスク | 29/50 | 35/50 |
試験結果はみごと 1度の受験で合格ライン到達! 50問中 35問正答(100点満点中 70点)と、余裕をもって合格ラインに到達することができました。
まとめ | リスクと保険
今回は、CFP®資格審査試験のリスクと保険課目の試験範囲と対策のポイントを解説してきました。
試験では、生命保険分野・損害保険分野から保険証券や約款などの抜粋から内容を読み解く出題のほか、基本的な商品知識や保険税務知識、法人契約の仕訳・経理処理の仕方についても理解しておく必要があります。
リスクと保険の課目は難易度が低く見られがちですが、ほかの課目と比べてけっして難易度は低くないため、油断せずに確実に学習を進めていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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