こんにちは、ファイナンシャルプランナーの hiro です。
FPの資格の最高峰に、日本FP協会から認定されるCFP®(Certified Financial Planner)があります。CFP®は、民間資格ながら世界 25ヶ国・地域で認められる国際資格です。CFP®認定者になるためには、全 6課目のCFP®資格審査試験に合格する必要があります。
そこで今回は、CFP®資格審査試験の金融資産運用設計課目の難易度や学習のポイントを解説していきます。
- 金融資産運用設計の受験を考えている
- 試験の難易度や合格ライン、おすすめの学習教材を知りたい
- 試験に向けた学習のポイントを知りたい
金融資産運用設計は、CFP®資格審査試験全 6課目中最も合格率が低い課目で、その難易度の高さからラスボスとも呼ばれています(苦笑)しっかりと対策をして試験に挑みましょう。
金融資産運用設計では、金融商品に関する幅広い知識と計算問題に加えて、経済指標や経済データの読み方・金融政策と情報収集、資料の読み方といった時事問題、さらに金融商品取引法や犯罪収益移転防止法などの金融商品を取り扱う上での法律知識も求められます。十分すぎるほどに試験対策を進めていきましょう。
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金融資産運用設計 試験日程と難易度・合格率
金融資産運用設計では、各国の経済指標や金融政策に始まり、金融商品の内容や損益計算、各種金融商品の税制など、金融全般に関する幅広い知識が求められます。
債券の計算問題や株式の財務データからの計算問題など初見では難しく感じる問題がずらりと並びます。焦らず適切な学習や準備を進めていきましょう。
CFP®資格審査試験日程
CFP®資格審査試験は、6月と 11月の年 2回実施されています。金融資産運用設計の試験日程を確認してみましょう。
試験時間 | 試験課目 | |
---|---|---|
試験第1日目 各120分 | 9:30~11:30 | 金融資産運用設計 |
12:30~14:30 | 不動産運用設計 | |
15:30~17:30 | ライフプランニング・リタイアメントプランニング | |
試験第2日目 各120分 | 9:30~11:30 | リスクと保険 |
12:30~14:30 | タックスプランニング | |
15:30~17:30 | 相続・事業承継設計 |
試験は全 6課目を 3課目ずつ 2日間にわたって実施されますが、金融資産運用設計の試験は、試験第 1日目の 1時限目に予定されています。
受験地から離れた地域から来場される方は、できるだけ交通費をかけないように受験課目をまとめることも検討しましょう。
札幌、仙台、水戸、宇都宮、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、金沢、松本、静岡、名古屋、京都、大阪、松江、岡山、広島、高松、松山、福岡、熊本、那覇
※2024年度第 1回試験から受験地が増設されています。
金融資産運用設計 難易度
まずは直近 3年間の課目ごとの難易度・合格率を確認してみましょう。
課目 | 2021年度 第2回 | 2022年度 第1回 | 2022年度 第2回 | 2023年度 第1回 | 2023年度 第2回 | 2024年度 第1回 |
---|---|---|---|---|---|---|
金融 | 37.0% | 34.3% | 31.4% | 30.7% | 33.4% | 29.5% |
不動産 | 35.4% | 37.1% | 38.5% | 35.8% | 38.1% | 36.5% |
ライフ | 38.3% | 35.9% | 36.8% | 35.6% | 35.4% | 31.0% |
リスク | 41.0% | 34.8% | 36.2% | 31.8% | 35.3% | 35.7% |
タックス | 37.5% | 36.0% | 36.7% | 39.0% | 35.6% | 36.1% |
相続 | 35.0% | 39.8% | 38.4% | 31.4% | 34.3% | 37.9% |
課目ごとに平均合格率の高い低いはありますが、直近 3年間の CFP®資格審査試験のすべての課目を平均すると合格率は 36.0%となります。
上記の表から直近 3年間の課目ごとの難易度・合格率の平均合格率を確認すると、平均合格率が低く難易度が高い順から以下の順になります。
- 金融資産運用設計/合格率 33.0%
- ライフプランニング・リタイヤメントプランニング/合格率 36.0%
リスクと保険/合格率 36.0%
相続・事業承継設計/合格率 36.0% - 不動産資産運用設計/合格率 37.0%
タックスプランニング/合格率 37.0%
直近 3年間の CFP®資格審査試験の課目ごとの合格率を平均すると、最も難易度が高く合格率が低い課目が金融資産運用設計の合格率 33.0%という結果になりました。
実務経験の有無や自身の得意不得意などを考慮する必要がありますので、参考程度に留めてください。
金融資産運用設計 試験傾向とテキスト・問題集
試験に向けた学習を始める前に、合格ラインやテキスト・問題集、試験傾向を確認しましょう。
これから金融資産運用設計を受験される方は参考にしてください。
目指すべき合格ラインを確認
ここで直近 3年間の金融資産運用設計の合格ラインを確認してみましょう。
2021年度 第2回 | 2022年度 第1回 | 2022年度 第2回 | 2023年度 第1回 | 2023年度 第2回 | 2024年度 第1回 | |
---|---|---|---|---|---|---|
合格ライン | 27/50 | 28/50 | 26/30 | 27/50 | 26/50 | 23/50 |
直近 3年間の合格ラインは、50問中 23~ 28問(100点満点中 46~ 56点)となっているようです。かなり難易度の高い試験なので 60%以上の正答率で合格ラインに到達できるようです。
金融業界は複雑で多岐にわたる知識やスキルが求められるため、試験もそれに合わせて難易度が高く設定されているようです。
学習テキスト・問題集
ここでは、CFP®資格審査試験に向けた学習教材を紹介します。
CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集/FPK研修センター株式会社
まずは、FPK研修センター株式会社から発行されている CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集は必須です。
約 300問の問題がわかりやすい解説付きで出題されています。実際の試験では、パターン化されている問題と、新しい形式で出題される問題とがありますので、すくなくともこの精選過去問題集はスムーズに解けるようにしておく必要があります。
CFP®資格標準テキスト/NPO法人日本FP協会
自信がない課目は NPO法人日本 FP協会から発行されている CFP®資格標準テキストで確認しながら学習を進めましょう。正直、CFP®精選過去問題集を活用した学習で十分合格ラインに到達できるかと思われますが、特に不安を感じる課目があれば購入を検討されてみてはいかがでしょうか。
CFP®資格審査試験問題集/NPO法人日本FP協会
試験直前には、こちらも NPO法人日本 FP協会から発行されている CFP®資格審査試験問題集で、時間を図りながら実戦形式で過去の CFP®資格審査試験問題に挑みます。本番前に解答ペースや時間配分などを確認しておきましょう。
CFP®資格審査試験問題集は、LEC東京リーガルマインド オンラインショップからだと割安価格で購入することができます。
\ 日本FP協会が発行する過去本試験問題集を販売 /
LEC東京リーガルマインド オンラインショップ
傾向と対策
金融資産運用設計では、各国の経済指標や金融政策に始まり、金融商品の内容や損益計算、各種金融商品の税制など、金融全般に関する幅広い知識が求められます。
CFP®資格審査試験全 6課目中最も難易度が高く合格率が低い課目です。十分すぎるほどに試験対策を進めていきましょう。
金融資産運用設計の過去問題の出題内容を確認すると、経済指標や経済データの読み方・金融政策と情報収集、資料の読み方といった時事問題が 8~ 9問程度出題されます。
学習にあたっては、過去問題を解くだけでなく、内閣府が公表する月例経済報告や経済財政白書、日本銀行が公表する経済物価情勢の展望レポート、金融システムレポートなどの各種報告書にも目を通しておく必要があります。
>>>白書等(経済財政白書、世界経済の潮流、地域の経済等) – 内閣府 (cao.go.jp)
>>>経済・物価情勢の展望(展望レポート) : 日本銀行 Bank of Japan (boj.or.jp)
>>>金融システムレポート : 日本銀行 Bank of Japan (boj.or.jp)
しかしながら、一般的にはこの資料をすべて網羅することは困難です。ここに勉強時間を多くかけるよりも、ほかの金融全般に関する知識や計算問題に勉強時間をかけるほうがはるかに効果的です。
わたしは職場に日経新聞があったこともあり、毎日それを読み込むようにしていました。
債券の計算問題や株式の財務データからの計算問題など初見では難しく感じる問題がずらりと並びます。適切な学習や準備を進めていきましょう。
- 預貯金などの各種金融商品
- 財形貯蓄制度・確定拠出年金制度
商品の特長やその商品性を理解することで問題なく解答できることでしょう。
- 証券分野のうち「投資信託関連」
- 派生商品・その他の金融商品
- ポートフォリオ理論等
こちらは算出方法がパターン化しているため反復して過去問を解くことで十分に対策できます。
- 証券分野のうち「債券投資関連」
- 証券分野のうち「株式投資関連」
債券の計算問題や株式の財務データからの計算問題など初見ではかなり難しく感じます。反復することで自身の理解度や演習の能力を向上させることができます。さらに、間違えた問題に対しては復習を行い、正しい解法や考え方を確認することも重要です。
- 外貨建て金融商品
外貨建て金融商品の計算問題は最も難易度が高いように感じます。外貨建て商品の計算は複雑で、為替レートや利息計算などが絡むため時間がかかります。特に外貨での利息計算は注意深く行う必要があります。ミスが出やすいので、計算問題に時間をかけすぎないように注意しましょう。
焦らず過去問を中心に学習していくことで克服していきましょう。
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金融資産運用設計試験に向けた勉強方法・学習のポイント
ここからは、試験に向けた勉強方法や学習のポイントについて解説していきます。
一つひとつ解説していきます。
CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集を反復して学習
まずは、FPK研修センター株式会社から発行されている CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集を反復してやり込みましょう。
問題集を何度も解くことで、問題の種類や出題形式に慣れることができます。また、反復することで自身の理解度や演習の能力を向上させることができます。さらに、間違えた問題に対しては復習を行い、正しい解法や考え方を確認することも重要です。
この CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集は、約 300問の問題がわかりやすい解説付きで出題されています。1周するのに 30時間かかるとも言われています。2週目、3周目と反復してやり込むことで徐々に時間が短縮されていきます。実際の試験では、パターン化されている問題と、新しい形式で出題される問題とがありますので、すくなくともこの精選過去問題集はスムーズに解けるようにしておく必要があります。
最新法令に合わせてテキストや問題集は毎年改訂されます。当然ですが、古いテキストや問題集では法改正なども含めた最新の知識を学ぶことができません。必ず最新のテキストや問題集で学習を進めましょう。
理解を深める努力
単に問題を解くだけでなく、解法や理論の背景を理解することも忘れずにやりましょう。
精選過去問題集で学習を進めていくなかで、理解が難しいときがあります。そんなとき、テキストなどで確認しながら学習を進めていくことも有効ですが、もし専門的な知識を持った家族や友人・知人、同僚などが身近にいれば、その方にアドバイスいただくことが非常に有効です。
わたしの場合、CFP®認定者の同僚が身近にいたため、アドバイスをいただき理解を深めることができました。
常に質問や疑問を持ち、理解を深める努力をしましょう。
モチベーションの維持
CFP®資格審査試験は全 6課目が設けられているため、1度に 2課目ずつ受験したとしてもすべての課目に合格するまで 1年以上の長期間に渡って学習に取り組まなければなりません。
つまり、気力・体力・集中力が重要になってきます。
心が折れそうになったときは、CFP®資格認定後の自分の姿を想像しましょう。CFP®資格認定後のキャリアや仕事の道、自己成長の可能性、新たなスキルや知識の獲得、そして自分自身や周囲の人々への誇りなどイメージしてみてください。目標達成へのモチベーションが高まり、努力を続ける力になることでしょう。
試験直前にはCFP®資格審査試験問題集に実践形式で挑戦
試験直前には、NPO法人日本 FP協会から発行されている CFP®資格審査試験問題集で、時間を図りながら実戦形式で過去の CFP®資格審査試験問題に挑みます。本番前に解答ペースや時間配分などを確認しておきましょう。
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金融資産運用設計を受験して
ここからは、実際に金融資産運用設計を受験したわたしの学習教材と学習・受験費用、学習時間、受験結果などを紹介していきます。
長く金融業界に勤めた経験と受験前年には会員一種証券外務員資格を取得した経緯もあり、金融商品に関する試験には特に苦手意識はありませんでいしたが、金融資産運用設計のその合格率の低さから、CFP®資格審査試験全 6課目のなかでも最後に受験することに計画しました。さらに、負担がかからないよう一番の得意課目であるリスクと保険との 2課目同時受験を選択しました。
最初のほうに金融資産運用設計を受験すると心が折れてしまう可能性があるため(汗)ある程度試験に慣れてきた終盤のほうに受験するのがおすすめです。
学習教材と学習・受験費用
実際に試験対策に使用した教材は以下の 3点です。
- CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集
- CFP®資格標準テキスト
- CFP®資格審査試験問題集(過去 2回分)
受験料を含めて掛かった費用は以下のとおりです。
- CFP®受験対策 FPKオリジナル 精選過去問題集/3,900円
- CFP®資格標準テキスト/2,530円
- CFP®資格審査試験問題集×2冊/1,540円
- 受験料/4,950円
※2課目受験割引適用 ※2024年度第1回試験より改定 - 交通費/約 6,080円
学習教材と学習・受験費用総額で約 19,000円でした。
CFP®資格審査試験は全 6課目ありますので、受験を検討されている方は参考にしてください。
学習時間
わたしがCFP®資格審査試験に挑戦し始めた当時は、ちょうど新型コロナウイルス感染症が流行している時期で、不要不急の外出を控えるなど行動制限がかかっていました。3回目の受験となる金融資産運用設計の受験時にはそれも徐々に緩和されてきた時期ではありましたが、学習時間は十分に確保できました。
受験日を 6月に設定し、前回の試験終了後 12月からコツコツ学習を進めていきました。リスクと保険との 2課目受験でしたが、金融資産運用設計だけで約 120時間は試験対策に取り組めました。
生命保険会社に勤めていたわたしにとってリスクと保険には絶対の自信があったため、ほとんどの勉強時間をこの金融資産運用設計に費やしました。
金融資産運用設計の学習は想定していた以上に難しく、何度問題集を投げようかと思ったことか(苦笑)
時事問題から始まり債券のデュレーション計算、株式投資指標、外貨建て債券の利回り計算などなど、問題集を何週したかわからないくらいとにかくやり込みました。正直なところ、やり込んでもやり込んでも不安しかありませんでした。
受験結果
試験は 1度の試験で 2課目ずつ受験していきました。
2021年度 第1回 | 2021年度 第2回 | 2022年度 第1回 |
---|---|---|
タックス | 不動産 | 金融 |
相続 | ライフ | リスク |
正直、金融資産運用設計の試験はまるで手ごたえがありませんでした。最初の時事問題から悩まされ、その後も債券投資関連、外貨建て金融商品と想定していた以上に難しい問題が並び、気持ちは焦るばかりでした。
2022年度第1回 | ||
---|---|---|
課目 | 合格ライン | 自己採点 |
金融 | 28/50 | 31/50 |
試験結果はみごと 1度の受験で合格ライン到達! 思いのほか苦戦した時事問題で点数を稼げたこともあり、50問中 31問正答(100点満点中 62点)という結果で合格ラインに到達することができました。
まとめ | 金融資産運用設計
今回は、CFP®資格審査試験の金融資産運用設計課目の試験範囲と対策のポイントを解説してきました。
金融資産運用設計では、金融商品に関する幅広い知識と計算問題に加えて、経済指標や経済データの読み方・金融政策と情報収集、資料の読み方といった時事問題、さらに金融商品取引法や犯罪収益移転防止法などの金融商品を取り扱う上での法律知識も求められます。
債券の計算問題や株式の財務データからの計算問題など初見では難しく感じる問題がずらりと並びます。焦らず適切な学習や準備を進めていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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