こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの hiro です。
証券外務員という資格をご存じでしょうか。
証券外務員資格とは、銀行や証券会社などの金融業界に勤めている方たちが、国債や投資信託、株式、信用取引などを販売・勧誘していくうえで必須となる資格です。
ここでは、証券外務員資格の基本情報から試験の難易度やおすすめの学習方法・学習テキストなど詳しく解説します。
私も金融業界に身を置くものとして「会員一種証券外務員資格」を保有しています。
- 証券外務員資格取得を目指している
- 証券会社や銀行などの金融機関への就職・転職を希望している
- 投資の基礎的知識を身につけたい
これから資格取得を目指す方は参考にしていただければ幸いです。
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証券外務員資格とは
証券外務員資格とは、銀行や証券会社などの金融業界に勤めている方たちが、投資信託や株式、信用取引などを販売・勧誘していくうえで必須となる資格で、日本証券業協会が主催する外務員試験制度の合格者に付与されます。
国家資格ではありませんが、日本証券業協会から認定される公的資格に位置づけられています。
資格保有にかかる年会費や資格の有効期限のようなものはなく、法令違反などによる資格の取り消しなどがない限り取り消されることはありません。
ただし、外務員として顧客に販売・勧誘を行う場合は、外務員資格試験の合格後に日本証券業協会へ外務員登録申請を行い、外務員登録を受ける必要があります。
外務員資格の種類
証券外務員資格は6つに区分されます。
- 一種外務員資格
- 二種外務員資格
- 特別会員一種外務員資格
- 特別会員二種外務員資格
- 特別会員四種外務員資格(現在受験不可)
- 信用取引外務員資格(現在受験不可)
「特別会員四種外務員資格」「信用取引外務員資格」は、現在資格試験が行われておらず、実質「一種外務員資格」「二種外務員資格」「特別会員一種外務員資格」「特別会員二種外務員資格」の4つに区分されています。
また、「一種外務員資格」と「二種外務員資格」は「正会員」とされ、「正会員」と「特別会員」に区分されます。
「正会員」とは証券会社向けの資格となっていて、「特別会員」は証券会社以外の銀行などの金融機関向けの資格となっています。とはいえ、特別会員が正会員と同じ業務はできないため証券会社に転職などをすることはできませんが、正会員は特別会員の業務を行えるため銀行などの金融機関に転職しても問題ありません。
「特別会員」は銀行などの金融機関向けの資格となりますので一般の方は受験ができません。また、試験の難易度としては「正会員」の試験よりも易しい試験となっています。
外務員資格更新研修
外務員として顧客に販売・勧誘を行う場合は、外務員資格試験の合格後に日本証券業協会へ外務員登録申請を行い、外務員登録を受ける必要があります。
外務員登録を受けている方は、外務員に対する投資者の信頼性を確保をするため、及び外務員の資質向上を図る目的として、外務員の登録を受けた日から 5年ごとに外務員資格更新研修の受講が義務付けられています。また、新たに外務員登録を受けた方、及び再び外務員登録を受けた方は、原則180日以内に受講する必要があります。
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外務員資格の試験内容と難易度・合格率
一般の方が受験できる外務員資格試験は、会員一種外務員資格と会員二種外務員資格に区分されます。特に受験資格は設けられていませんので誰でも受験可能です。
なお、受験の申込みは、証券会社や銀行などの金融機関に所属している方は所属する会社を通して受験申込みを行えますが、一般の方は試験運営機関である プロメトリック(株)から受験を申込むようになります。
私のように所属する会社経由で受験した場合は、合否結果も会社経由で知らされます。ちなみに合格証書のようなものはありません。
証券外務員試験の出題範囲
出題科目は、一種外務員資格、二種外務員資格ともに「法令・諸規則」「商品業務」「関連科目」の 3科目となります。ただし一種外務員資格では、二種外務員試験では出題範囲外となっている「デリバティブ取引」が含まれます。
出題科目 | |
---|---|
法令・諸規則 | ・金融商品取引法及び関係法令 ・金融商品の勧誘・販売に関係する法律 ・協会定款・諸規則 ・取引所定款・諸規則 |
商品業務 | ・株式業務 ・債券業務 ・投資信託及び投資法人に関する業務 ・付随業務 ・デリバティブ取引(一種外務員資格試験のみ) |
関連科目 | ・証券市場の基礎知識 ・株式会社法概論 ・経済・金融・財政の常識 ・財務諸表と企業分析 ・証券税制 ・セールス業務 |
出題範囲は、二種外務員資格試験がこれらの出題科目の「基礎的知識」であることに対して、一種外務員資格試験では出題科目の「実務的・専門的知識」が求められます。
証券外務員試験の出題形式と合否判定基準
問題数や試験時間、合否判定基準は以下のとおりです。
一種外務員資格 | 二種外務員資格 | |
---|---|---|
問題数 | 合計100問 (〇✕方式70問、五肢選択方式30問) | 合計70問 (〇✕方式50問、五肢選択方式20問) |
試験時間 | 2時間40分 | 2時間 |
合否判定基準 | 440点満点の7割(308点)以上得点した者を合格者とします。 | 300点満点の7割(210点)以上得点した者を合格者とします。 |
出題形式はどちらもPCへの入力方式での試験となります。
証券外務員試験の難易度・合格率
2023年度の受験者数や合格者数、合格率は日本証券業協会公式HPで以下のとおり公表されていますので確認してみましょう。
2023年度 受験者数・合格者・合格率 (一般受験者) | ||
---|---|---|
試験種類 | 一種外務員資格試験 | 二種外務員資格試験 |
受験者数 | 5,886名 | 3,833名 |
合格者数 | 4,199名 | 2,516名 |
合格率 | 71.3% | 65.6% |
合格率は一種外務員資格試験、二種外務員資格試験ともに70%前後と比較的易しい試験になります。
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実際に証券外務員試験を受験した感想
当時金融機関に所属していた私は、コロナ禍で時間に余裕があったこともあり会員一種証券外務員資格試験に挑むことにしました。所属する会社から特別会員二種証券外務員資格を取得させられて以降 10年以上ぶりとなる証券外務員資格試験となりました。
証券外務員資格試験に向けた学習
実際に受験した感想としては、最初は金融商品取引法や株式・投資信託などの商品業務、証券市場の基礎知識など専門用語が多く難しく感じますが、問題集とテキストを繰り返し学習すれば独学で十分に合格ラインを突破できます。計算問題も出題されますが、複雑なものではありませんので。
以下は、私が実際に試験勉強で使用させていただいた日本経済新聞出版の必修テキスト・必修問題集です。スタンダードな試験対策書と言ってよいでしょう。参考にしていただければ幸いです。↓↓
コロナ禍で時間に余裕があったこともあり、約1ヶ月間毎日コツコツ勉強行った結果、一度の受験で合格することができました。会員一種証券外務員試験の平均勉強時間は80~100時間程度と言われています。
おすすめの受験方法
受験者数や合格者、合格率は日本証券業協会公式HPで公表されていますが、合格率は一種外務員資格試験、二種外務員資格ともに70%前後となっていて、そこまで一種と二種の試験の難易度に差がありません。
二種外務員資格を保有していないと一種外務員資格試験を受験できないというわけではありませんので、外務員資格試験の受験を検討されている方は、最初から一種外務員資格試験を受験されることをおすすめします。
投資の基礎的知識が身につく?
証券外務員資格試験では、金融商品取引法や株式・投資信託などの商品業務、証券市場の基礎知識などを学習します。株式投資や投資信託を始めるにあたり、投資の基礎的知識を身につけることを目的として挑戦してみるのもいいでしょう。(これを学習したからといって、株式投資が上手くなるわけではありませんが)
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証券外務員資格取得後に目指したい資格
証券外務員資格を取得された方が目指される資格は、投資家の資産運用に関する知識やスキルをより深めることができる資格が多いです。以下に、証券外務員資格を取得された方には、以下のような資格がおすすめです。
以上の資格は、証券外務員資格と愛称が良く、証券外務員資格を取得された方にとって有益な資格と言えます。ただし、それぞれの資格には受験資格や試験内容などの条件がありますので確認が必要です。
証券アナリスト
証券アナリストとは、金融市場において投資アドバイザーサービスを提供する専門家です。日本証券アナリスト協会が主催する資格試験に合格することで、証券アナリストとしての資格を取得できます。
日本証券アナリスト協会は、証券アナリストをはじめとした金融・資本市場のプロを育成することと、それを通じて日本経済の発展に寄与することを目的に事業活動を行っている公益社団法人です。
証券アナリストは、高度な数値分析スキルや情報収集能力、市場トレンドの把握力が求められる職業です。また、証券アナリストは投資家の信頼を得るために、自身の意見や予測を適切に根拠づける必要はあります。
内部管理責任者資格
内部管理責任者資格とは、日本証券業協会において、金融商品取引法その他の法令諸規則などの遵守状況を管理する職務を任せられた者が保有する資格で、証券会社や銀行などの金融業界で管理職を目指す方は取得しておきたい資格といえます。
内部管理責任者資格は、日本証券業協会が主催する内部管理責任者資格試験の合格者に付与されます。国家資格ではありませんが、日本証券業協会から認定される公的資格に位置付けられています。
資格の性質上、倫理的な問題が多く出題されます。また、一種証券外務員資格試験と重なる部分も多いため、一種証券外務員資格試験の合格後に続けて内部管理責任者資格試験を受験されることをおすすめします。
まとめ|証券外務員資格
証券外務員資格とは、銀行や証券会社などの金融業界に勤めている方たちが、投資信託や株式、信用取引などを販売・勧誘していくうえで必須となる資格です。
現行では 4つに区分されますので、下記にまとめておきます。
- 正会員一種外務員資格
- 証券会社向けの資格
- 信用取引やデリバティブ取引を含めたすべての有価証券に係る外務員の職務を行える
- 一般の方でも受験可能
- 正会員二種外務員資格
- 証券会社向けの資格
- いわゆる現物株式などの外務員の職務を行うことができるが、信用取引やデリバティブ取引などのリスクの高い商品は取り扱えない
- 一般の方でも受験可能
- 特別会員一種外務員資格
- 証券会社以外の銀行などの金融機関向けの資格
- 選択権付債券売買取引を含む、国債や投資信託などの限られた有価証券を取り扱うことができる
- 一般の方は受験不可
- 特別会員二種外務員資格
- 証券会社以外の銀行などの金融機関向けの資格
- 選択権付債券売買取引以外の国債や投資信託などの限られた有価証券を取り扱うことができる
- 一般の方は受験不可
実際に正会員一種外務員資格試験を受験した感想としては、最初は金融商品取引法や株式・投資信託などの商品業務、証券市場の基礎知識など専門用語が多く難しく感じますが、問題集とテキストを繰り返し学習すれば独学で十分に合格ラインを突破できます。
証券外務員資格試験の受験を検討されている方は参考にしていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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