こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの hiro です。
一種証券外務員資格試験に合格された方は、内部管理責任者資格まで目指すべきかを悩まれるかもしれません。
内部管理責任者資格とは、日本証券業協会において、金融商品取引法その他の法令諸規則などの遵守状況を管理する職務を任せられた者が保有する資格で、証券会社や銀行などの金融機関で管理職を目指す方は取得しておきたい資格といえます。
今回は、内部管理責任者資格の会員と特別会員の違いから試験の難易度・合格率や学習テキストなど詳しく解説します。

わたしは特に管理職を目指しているわけではありませんが、一種証券外務員資格取得後に、せっかくだからと内部管理責任者資格まで取得してしまいました。
- 一種証券外務員資格試験に合格
- 証券会社や銀行などの金融機関で管理職を目指している
- 証券会社や銀行などの金融機関で営業活動よりも管理や指導・育成に関心がある
これから資格取得を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
・1級FP技能士
・CFP®認定
・金融業界在籍29年
・営業職27年経験
長年培った知識・技術・経験を基に情報発信します。


春を告げる通信
運営者 FP hiro
内部管理責任者資格とは?会員と特別会員の違い


内部管理責任者資格とは、日本証券業協会において、金融商品取引法その他の法令諸規則などの遵守状況を管理する職務を任せられた者が保有する資格で、証券会社や銀行などの金融業界で管理職を目指す方は取得しておきたい資格といえます。
内部管理責任者資格は、日本証券業協会が主催する内部管理責任者資格試験の合格者に付与されます。
国家資格ではありませんが、日本証券業協会から認定される公的資格に位置づけられています。
会員内部管理責任者
「会員」とは、日本証券業協会の正会員(いわゆる証券会社)に属しています。株式、債券、投資信託、デリバティブなど広範な業務を取り扱う企業の従業員が対象です。
内部管理責任者制度を起点に、リスクマネジメントやコンプライアンスに関する知識や経験を積み重ねた人が該当し、資格を取得することができます。
特別会員内部管理責任者
「特別会員」は、日本証券業協会の特別会員に所属する者。一般的には証券会社以外の銀行などの金融機関向けの資格となっています。主に投資信託の媒介や、アドバイス業務などを行う企業が該当します。
特別会員は、正会員と同じ業務はできないため証券会社に転職することはできませんが、正会員は、特別会員の業務を行えるため銀行などの金融機関に転職しても問題ありません。



正会員と特別会員には、特別の資格レベルの違いはありませんが、正会員の認定には、内部管理責任者制度への理解や実践に中心とした知識や経験が必要とされます。
内部管理責任者資格はどんな人におすすめ?
営業活動よりも管理や指導・育成に関心がある方には、内部管理責任者資格はおすすめです。
営業活動よりも管理や指導・育成に関心がある方にはおすすめ
支店や部署で適正な営業活動がなされているか、外務員が法令違反を犯していないかなどを監督・管理する態勢は、健全な金融取引を行っていくうえで必要不可欠です。内部管理責任者の知識に精通した人材が法令等遵守態勢の整備に努めることで、金融業界に対する顧客の信頼性の向上につながります。
証券会社や銀行などの金融機関で管理職を目指している方は、内部管理責任者資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
内部管理責任者資格の試験概要


内部管理責任者資格試験は、日本証券業協会の協会員に所属し、一種証券外務員資格を保有していることが受験資格となります。



つまり、日本証券業協会の協会員に所属していない一般の方が受験することはできません。
会員一種証券外務員資格保有者は「会員内部管理責任者資格」、特別会員一種証券外務員資格保有者は「特別会員内部管理責任者資格」の試験を受験することとなります。


内部管理責任者資格 受験申込方法・合否結果
内部管理責任者資格試験は、基本的には毎営業日に実施されていますが、試験会場によって実施状況は異なりますので注意が必要です。
受験の申し込みは個人で直接行うことはできず、必ず所属先の証券会社や銀行などの金融機関から日本証券業協会へ申し込む必要があります。



合否結果も所属先の会社経由で知らされます。
内部管理責任者資格 出題科目等
試験内容や難易度に差があるものの、基本的には「会員内部管理責任者資格」「特別会員内部管理責任者資格」ともに出題される科目等は同じに設定されています。
科 目 | おもな項目 |
---|---|
■内部管理・法令遵守に関する基本的知識 ■金融商品取引法及び関係法令 ■協会定款・諸規則 ■取引所定款・諸規則 ■社内管理規定 | ○内部管理・法令遵守体制の重要性 ○協会員役職員の倫理に関する事項 ○顧客口座の開設 ○投資勧誘の管理 ○顧客注文の受託の管理 ○受渡・保管等の管理 ○協会員と役職員の規制 ○一般的不正行為と価格形成の監視 ○その他内部管理に関する事項 |
会員内部管理責任者試験 出題数・試験時間
「会員内部管理責任者資格」と「特別会員内部管理責任者資格」とでは、出題数や試験時間が違う点に注意しましょう。
会員内部管理責任者試験 | |
---|---|
出題範囲 | 内部管理責任者として、営業単位における内部管理を行うに必要な金融商品取引法その他の法令諸規則等に関する知識および実務的知識について、「会員営業責任者・会員内部管理責任者必携」(日本証券業協会発行)の内容を中心として出題されます。 |
出題数・配点 | 50問500点満点(各問10点満点) |
合格基準 | 500点満点のうち7割(350点以上) |
試験方法 | 出題・解答等はパソコン上で行われます パソコンの操作はマウスを使用します |
試験時間 | 1時間30分(90分) |
特別会員内部管理責任者資格 出題数・試験時間
特別会員内部管理責任者資格試験は、銀行などの金融機関の行職員向けの試験となっているため、会員内部管理責任者資格試験と比べて出題数が少なく難易度は低く感じられます。
特別会員内部管理責任者資格 | |
---|---|
出題範囲 | 特別会員の内部管理責任者として、営業単位における内部管理を行うに必要な金融商品取引法その他の法令諸規則等に関する知識および実務的知識について、「特別会員営業責任者・内部管理責任者必携」(日本証券業協会発行)の内容を中心として出題されます。 |
出題数・配点 | 30問300点満点(各問10点満点) |
合格基準 | 300点満点のうち7割(310点以上) |
試験方法 | 出題・解答等はパソコン上で行われます パソコンの操作はマウスを使用します |
試験時間 | 1時間(60分) |
内部管理責任者資格試験の難易度・合格率と学習方法


内部管理責任者資格試験では、内部管理責任者として、営業単位における内部管理を行うに必要な金融商品取引法その他の法令諸規則等に関する知識および実務的知識について、「会員営業責任者・会員内部管理責任者必携」(日本証券業協会発行)の内容を中心として出題されます。
会員内部管理責任者資格試験 難易度・合格率
直近5年間の合格率をまとめてみました。
令和5年度 (2023年度) | 令和4年度 (2022年度) | 令和3年度 (2021年度) | 令和2年度 (2020年度) | 令和1年度 (2019年度) | |
---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 15,135 | 14,953 | 16,934 | 17,034 | 18,262 |
合格者数 | 12,227 | 12,127 | 13,821 | 14,478 | 15,290 |
合格率 | 81.0% | 81.0% | 81.0% | 84.0% | 83.0% |
会員内部管理責任者資格試験の直近5年間の合格率は81~84%となっています。
資格の性質上、倫理的な問題が多く出題されます。また、一種証券外務員資格試験と重なる部分も多いため、一種証券外務員資格試験の合格直後に内部管理責任者資格試験を受験すれば、ずいぶん簡単に感じることでしょう。



わたしも一種証券外務員資格試験に合格した一ヶ月後に内部管理責任者資格を受験しました。
特別会員内部管理責任者資格試験 難易度・合格率
直近5年間の合格率をまとめてみました。
令和5年度 (2023年度) | 令和4年度 (2022年度) | 令和3年度 (2021年度) | 令和2年度 (2020年度) | 令和1年度 (2019年度) | |
---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 1,738 | 1,475 | 1,838 | 1,639 | 2,298 |
合格者数 | 1,695 | 1,420 | 1,761 | 1,592 | 2,221 |
合格率 | 97.0% | 96.0% | 95.0% | 97.0% | 96.0% |
特別会員内部管理責任者資格試験の直近5年間の合格率は95~97%となっています。
特別会員内部管理責任者資格試験では、さらに難易度が下がります。
内部管理責任者資格試験の勉強方法とおすすめのテキスト・問題集
基本的には、内部管理責任者資格試験対策用のテキストや問題集などで学習していきます。
試験では過去問からも高確率で出題されるため、対策用のテキストや問題集を繰り返すことで十分に合格ラインに到達することができます!
以下はわたしが実際に試験対策で使用させていただいた『日本投資環境研究所』の学習テキスト・対策問題集です↓↓









日本投資研究所では、外務員資格取得支援サービスのほかにもFP資格者に対する継続教育講座など、金融機関に務めるビジネスパーソンの資格取得を幅広くサポートしています。
試験の難易度としては低い試験になりますが、まったく対策をとらなければ当然に落ちます(-ω-)/
しっかりと試験対策をとって一度の受験での合格を目指しましょう!
内部管理責任者資格取得後に目指したい資格


内部管理責任者資格は、証券会社や銀行などの金融機関において、営業活動が適正に行われているかを監督するための資格です。内部管理責任者資格を取得された方には、以下のような資格がおすすめです。
これらの資格は、内部管理責任者資格と相性が良く、金融業界でのキャリアアップにもつながる資格です。ぜひ、目指されてみてはいかがでしょうか。


メンタルヘルス・マネジメント検定
メンタルヘルス・マネジメント検定は、メンタルヘルスの知識とスキルを評価するための検定試験で、大阪商工会議所と施行商工会議所が主催しています。この検定は、個人や組織がメンタルヘルスの問題を適切に認識し、効果的な対応策を実施する能力を評価するために設けられています。
受験者は、メンタルヘルスの基礎知識、予防と早期発見、心理的な負荷とストレスの管理、適切な対応方法、支援リソースの活用などについての知識と理解を持っていることが求められます。
- Ⅰ種(マスターコース)➡人事労務管理スタッフ・経営幹部
- Ⅱ種(ラインケアコース)➡管理監督者(管理者)
- Ⅲ種(セルフケアコース)➡一般社員
受験に制限はなく、いずれのコースからも受験可能です。
検定試験に合格することで、個人は自身のメンタルヘルスの管理能力を向上させることができ、組織ではメンタルヘルスに関する問題に適切に対処することができるスタッフを育成することができます。



メンタルヘルス・マネジメント検定は、個人や組織のメンタルヘルスの向上を促すための重要な手段となっています。
金融コンプライアンス・オフィサー
金融コンプライアンス・オフィサーは、日本金融コンプライアンス・オフィサー協会が主催する認定試験です。
この試験は、主として銀行などの金融機関の管理者、及び一般行職員向けに行われており、日常業務において直面するコンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得度を判定するものであるとされています。
- 1級 ➡ 上級管理者(上級管理者)
- 2級 ➡ 初級管理者(初級管理者・一般行職員)
受験に制限はなく、いずれの級からも受験可能です。
資格認定後には、銀行などの金融機関や証券会社、保険会社などのコンプライアンス部門で、法令遵守や内部管理の分野での活躍が期待されます。具体的には、金融商品取引法やマネーロンダリング防止、顧客保護に関する社内規定の策定や運用を担当します。



将来的には、コンプライアンス部長や内部監査責任者、役員レベルへの昇進にも活かせることでしょう。


まとめ|内部管理責任者資格


内部管理責任者とは、日本証券業協会において、金融商品取引法その他の法令諸規則などの遵守状況を管理する職務を任せられた者が保有する資格で、証券会社や銀行などの金融業界で管理職を目指す方は取得しておきたい資格といえます。
- 会員内部管理責任者資格
- 証券会社向けの資格
- 資格試験では出題数50問中7割の正答率で合格
- 特別会員内部管理責任者資格
- 銀行などの金融機関向けの資格
- 資格試験では30問中7割の正答率で合格
資格の性質上、倫理的な問題が多く出題されます。また、一種証券外務員資格試験と重なる部分も多いため、一種証券外務員資格試験の合格直後の受験が推奨されます。



一種証券外務員資格試験合格直後の受験がおすすめです。
証券会社や銀行などの金融機関で管理職を目指している方は、内部管理責任者資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。






コメント